今回はゴーヤ(ゴーヤー)のおでんの調理方法を紹介しよう。
ゴーヤといえば、沖縄料理のゴーヤーチャンプルーが有名だが、煮物にしても美味しい。ゴーヤと共にテビチなどを加えて本格的な沖縄のおでんに挑戦するのも楽しいが、いつものおでんに加えても美味しい。
夏場の栄養補給に最適な食材、ゴーヤ
ゴーヤはツルレイシというウリ科の一種で、苦瓜とも呼ばれる。沖縄本島では「ゴーヤー」と呼ばれるが、全国的には「ゴーヤ」という呼び名が一般的になりつつある。
ビタミンCや葉酸、カリウムが豊富で、食物繊維も多く含まれている。夏場の栄養不足を補う食材としてもってこいだ。

おでん種としては一般的ではないが、独特の苦みはまろやかな味が占めるおでんのなかでよいアクセントとなる。東京のおでん種専門店では、南阿佐谷の蒲重蒲鉾店や吉祥寺の塚田水産がゴーヤを用いた揚げ蒲鉾を製造している。おでんにしてもいいが、そのまま食べても美味しい。
おでんのゴーヤの調理方法
ここからはおでんのゴーヤの調理方法を紹介しよう。まずは下ごしらえからはじめる。
最初にゴーヤの両端を包丁で切り取る。次に中のワタと種をスプーンや指で取り除くのだが、仕上げたい形によって切り方が異なる。
半月状にしたいなら縦に包丁を入れて半分にする。ワタは苦みが少なく栄養価も高いので、あまり神経質にならず、残してもかまわない。
後述する挽肉詰めのために輪の形をキープしたいなら1〜2cmほどの大きさで輪切りにする。苦みが得意でない方は厚すぎないように調整しよう。
半月状の場合はワタと種を取り除いたあとに、食べやすい大きさに切り分ける。
次に独特な苦みを和らげるために塩を小さじ1、砂糖を小さじ2ほどをゴーヤにまぶし、ボールのなかでよく揉み込もう。
次第に水気が出てくるので、10分ほど放置する。最後にキッチンペーパーでゴーヤの水気を拭き取る。揉み込むのが面倒であれば、水を入れてかき混ぜたら、同じように放置してもいい。
鍋でお湯を沸かし、中火に戻してゴーヤを5分ほど茹でる。おでんにする場合は直接煮てしまってもいいが、独特の苦みを楽しみたいなら茹でる工程を入れて、煮る時間は少なめにするといい。
茹で上がったらおでん汁でさっと煮る。これでゴーヤのおでんの完成だ。食べる際には鰹の削り節をかけるとより美味しくいただける。ほかのおでん種と一緒に食べることで、まろやかな苦みに変化する。これぞ、大人の味わいだ。
ひと手間かけてさらに美味しく!ゴーヤの挽肉詰め
ひと手間かけてゴーヤの挽肉詰めにも挑戦してみよう。肉の甘みやうまみがプラスされることで、より豊かな味わいと食べやすさを得られる。
挽肉の種類は好みで選んでかまわない。鶏のももや胸肉、豚や牛、合い挽きなど、それぞれ異なる味わいとなる。種の材料はゴーヤ1本に対して挽肉(150g)、玉ねぎ(1/4個)、卵(1/2個)、塩と胡椒(少々)、片栗粉もしくは薄力粉(適量)。
まず、玉ねぎを粗くみじん切りする。芯をすこし残して刻むと崩れにくいのでお試しあれ。
次に挽肉と卵、塩と胡椒をボールに入れてよく捏ねる。柔らかくなりすぎないように卵はすこしずつ入れていこう。玉ねぎを加えて混ぜたら次の工程に移る。
下処理が済んだ輪の形状のゴーヤの内側に片栗粉(薄力粉)をつけたら、挽肉の種を詰めて形を整える。
フライパンにサラダ油をひいて熱したら、挽肉に焼き色をつける要領で炒める。しばらくしたら裏返して、両面を満遍なく焼く。
最後におでんと一緒に煮れば完成だ。ゴーヤの苦みをおでん汁に移したくない場合には、別の鍋で個別に煮てもいい。
挽肉の豊かなうまみと肉汁、玉ねぎの甘みがゴーヤの苦みと融合してまろやかな味わいとなる。すこし手間がかかると思いきや、さほど難しくないので挑戦してみてほしい。
温かい状態でも美味しいが、冷やしおでんにしても美味しい。夏バテ対策の一環として、ぜひゴーヤのおでんを試していただきたい。