おでんそばとうどんを作る

今回はおでん種やさんやお持ち帰り専門店のおでんを使用して、おでんそばとうどんを作ってみたいと思う。九州屋蒲鉾店と美奈福のおでん種を使い、蕎麦やうどんはきちんと出汁をとって丁寧に調理してみた。

おでんそばとうどんを作る

東京おでんだねでは前回前々回の2回にわたって、東京のおでんそばとおでんうどんを取り上げてきた。どのお店も美味しく満足度が高かったが、「おでん種専門店やお持ち帰り専門店のおでんを使用したものを食べてみたい」という欲求がふつふつとわいてきた。

早速、荒川区熊野前の九州屋蒲鉾店と中央区人形町の美奈福におもむいて、それぞれのできたておでんを購入した。蕎麦とうどんの出汁削りは日本橋の八木長本店や御徒町の吉池、麺は池袋のかるかやで手に入れた。

おでんそばとうどんを作る:出汁削り各種

最も簡単に作るのであれば、前日のおでんの残りと市販の蕎麦つゆの素を使用すればいい。それだけでもじゅうぶん美味しくできあがるので、本記事はあくまで参考として受け止めていただければと思う。

九州屋蒲鉾店のおでんでおでんそばを作る
美奈福のおでんでおでんうどんを作る

九州屋蒲鉾店のおでんでおでんそばを作る

まずは、おでんそばから調理方法を紹介しよう。おでん種は九州屋蒲鉾店のできたておでんを使用しているが、お気に入りのおでん種専門店があれば、そちらのものでもかまわない。おでんそばの定番として、大根、さつま揚げ、ごぼう巻、玉子、焼きちくわ、こんにゃく、結び昆布をチョイスした。

おでんそばとうどんを作る:おでんそばの材料

蕎麦は筆者お気に入りのうどん専門店、かるかやの手打のもの。西武池袋本店の本館南地下1階西武食品館「おかず市場」で営業しているが、詳しくは「佃忠(池袋)のおでん種」の記事を参考にしてもらいたい。薬味やトッピングはお蕎麦屋さんのおでんそばで定番のものを揃えた。ここは好みで変更してもいい。

  • 蕎麦
  • おでん種(大根、さつま揚げ、ごぼう巻、玉子、焼きちくわ、こんにゃく、結び昆布)
  • さやえんどう
  • インゲン
  • なると巻
  • 長ネギ
  • 天かす

参考までに下ごしらえと切り方を紹介しておこう。さやえんどうは筋を取ってから30秒ほど沸騰した鍋に入れる。インゲンも筋を取り、塩をまぶしてまな板で板ずりしてから2、3分茹でる。なると巻は薄めに切り、長ネギは小口切りにする。

おでんそばとうどんを作る:おでんそばの出汁削り

蕎麦つゆ用の出汁削りは、鰹節の厚削り、宗田鰹節、真昆布。かえしには濃口醤油とたまり醤油、みりん。関西風ではなく、醤油が主役の江戸前蕎麦に仕上げる。1人前を記載しておくので、必要人数分を掛け算して適量を用意してほしい。

出汁(1人前)

  • 鰹節の厚削り(20g)
  • 宗田鰹節(7g)
  • 真昆布(2g)
  • 水(335ml)

かえし(1人前)

  • 濃口醤油(34ml)
  • みりん(34ml)
  • たまり醤油(小さじ1)

おでんそばとうどんを作る:出汁削りの計量

出汁は目分量で入れてしまうと味が整わないので、計量をきちんとしておこう。水の分量も同様だ。

おでんそばとうどんを作る:蕎麦つゆの出汁引き(鰹厚削りと真昆布)

まずは鍋に水と鰹節の厚削り、真昆布を入れて弱火にかける。そろそろ沸騰してくるかというところで真昆布を取り出して、5分ほど煮出していく。真昆布は長いこと入れておくとえぐみが出てしまうので、表面がわずかに揺れはじめたら取り出すようにしよう。鰹節の厚削りは血合いが入っているものが望ましく、しっかりとした魚の旨味が引き出せる。

おでんそばとうどんを作る:蕎麦つゆの出汁引き(宗田鰹)

次に宗田鰹節を入れ、さらに5分ほど煮出す。宗田鰹は体長40センチ程度の魚だが、旨味とコクがあり蕎麦つゆによく使われている。今回は香りを豊かにするために薄削りのものを使用した。

おでんそばとうどんを作る:蕎麦つゆの出汁引き(蒸らし)

時間になったら火を止めて、鍋に蓋をして1分ほど蒸らす。出汁をしっかりと出し切る効果があるが、長いこと蒸らすと削り節が出汁を吸ってしまうのでほどほどに。

おでんそばとうどんを作る:蕎麦つゆの出汁を濾す

ボウルの上に笊(ざる)を置いて、ネル地の漉し布かキッチンペーパーを敷いて出汁を濾す。苦味が出てしまうので絞ったりせず、コーヒーを淹れるようにじっくり出汁が流れるのを待とう。

おでんそばとうどんを作る:蕎麦つゆの出汁引き

仕上がった出汁がこちら。この出汁に水を加えて335ml(1人前)になるようにしておく。澱みのない美しい仕上がりに惚れぼれしてしまう。

おでんそばとうどんを作る:かえしを作る

次にかえしを作る。鍋に濃口醤油とみりんを加えて煮切った後に、たまり醤油を加えて混ぜておく。煮切りは出汁の風味を邪魔する余分なアルコール分を消す効果があるが、30秒から1分くらいでじゅうぶんだ。

おでんそばとうどんを作る:蕎麦茹で

最後に蕎麦を茹で、頃合いをみて出汁とかえしを合わせたものを弱火で温める。蕎麦は鍋から引き揚げた後に流水でもみ洗いして、粗熱とぬめりを取り、ふたたび鍋に移して軽く温めて完成。蕎麦つゆは沸騰前に火を止めて完成。最後に器に盛って、おでん種などをのせればできあがり。

おでんそばとうどんを作る:九州屋蒲鉾店のおでんで作ったおでんそば

完成したおでんそばがこちら。九州屋蒲鉾店でもらった練りからしも加えてみた。さやえんどうやインゲンの緑色となると巻の紅白の色が華やかで、オーソドックスなお蕎麦屋さんのおでんそばそのもの。おでん種はさすが専門店のものだけあってボリューム感が素晴らしい。

おでんそばとうどんを作る:九州屋蒲鉾店のおでんで作ったおでんそば

蕎麦つゆは旨味成分が多いたまり醤油を加えたおかげで、醤油の香りとコクがしっかり出ている。それでいてしょっぱくなく、鰹の香りがふわりと優しく広がっている。おでん種は単体で食べても美味しいので、文句のつけようがない完璧な出来となっている。おでん、蕎麦とそれぞれの出汁の美味しさが棲み分けされつつも、ゆっくりと融合していくさまを味わうのはとても贅沢だ。

美奈福のおでんでおでんうどんを作る

次に、美奈福のできたておでんを使っておでんうどんを作ってみよう。美奈福の出汁は特選の本枯鰹節と煮干しで取ったものなので、関西系の出汁の効いたうどんつゆによく合うのではないかと思う。

おでんそばとうどんを作る:おでんうどんの材料

うどんも蕎麦と同じく、かるかやの手打のもの。讃岐うどんの強いコシがありながら、不揃いの切り方によってバラエティ豊かな噛みごたえがある。おでん種は美奈福で筆者お好みのものを選んだ(大根、ごぼう巻、白滝、タコ、ホタテ、すじ、結び昆布)。薬味やトッピングも彩りだけを意識しつつ、適当に選んでみた。個性が出しやすいので、色々と挑戦してみるといいだろう。

  • うどん
  • おでん種(お好みで。大根、ごぼう巻、白滝、タコ、ホタテ、すじ、結び昆布)
  • みつば
  • ワカメ
  • 長ネギ

みつばは5センチほどに切る。ワカメは水で軽くもどし、食べやすい大きさに切る。長ネギは斜め薄切りにしたが、もちろん小口切りでもOK。

おでんそばとうどんを作る:おでんうどんの出汁削り

うどんつゆ用の出汁削りは、煮干し、真昆布、混合削り節。かえしは薄口醤油とみりん。混合削り節はサバやイワシが入っており、煮干しと合わせることによって魚の味わいが主役の関西風うどんに仕上げる。こちらも1人前を記載しておくので、必要人数分を掛け算して適量を用意してほしい。

出汁(1人前)

  • 混合削り節(20g)
  • 煮干し(7g)
  • 真昆布(2g)
  • 水(400ml)

かえし(1人前)

  • 薄口醤油(34ml)
  • みりん(34ml)

おでんそばとうどんを作る:うどんつゆの出汁引き(煮干しと真昆布)

まず、鍋に水と煮干しと真昆布を入れて弱火にかける。沸騰する手前で真昆布を取り出す。昆布の旨味を出したいからといって、長く煮るのは厳禁だ。

おでんそばとうどんを作る:うどんつゆの出汁引き(混合節)

次に混合削り節を加えて10分ほど煮出す。火を止めたら鍋に蓋をして1分程度蒸らして出汁を削り節から残らず出し切る。

おでんそばとうどんを作る:うどんつゆの出汁を濾す

ボウルに笊(ざる)を置き、ネル地の漉し布かキッチンペーパーを敷いてから出汁を濾していく。絞らず、触らず、ゆっくりと待とう。

おでんそばとうどんを作る:蕎麦つゆの出汁引き

完成した出汁はこちら。ふわりと漂う香りだけで、複数の魚の複雑な旨味が想像できる。ここに水を加えて、総量が400ml(1人前)になるようにしておく。

おでんそばとうどんを作る:出汁がら

ちなみに、出汁がらは捨てずに佃煮やふりかけにしてもいい。真昆布は細切りにしておき、それ以外のものはフードプロセッサーにかけて粉末にしよう。フライパンに出汁がら、醤油、みりん、砂糖、小口切りした唐辛子を適量、水をひたひたになる程度に加えて炒めていく。水気がなくなったらサラダ油をひとまわしすればあっという間に完成。直前に炒りごまをかけていただこう。

おでんそばとうどんを作る:かえしの煮切り

かえしは薄口醤油とみりんを加えて、中火で1分程度煮切る。出汁を加えてうどんつゆの準備は完了だ。

おでんそばとうどんを作る:うどん茹で

たっぷりの水でうどんを茹で、鍋から引き揚げた後に流水でもみ洗いして粗熱とぬめりを取る。茹でた鍋に戻して軽く温めれば完成だ。うどんつゆは弱火で温め、沸騰前に火を止める。器に移し、おでん種などを盛り付ければできあがり。

おでんそばとうどんを作る:美奈福のおでんで作ったおでんうどん

美奈福の味の染み込んだ褐色のおでん種に、みつばで少しだけ彩りを加えて渋めの雰囲気に仕上げてみた。ホタテやタコをふんだんにあしらって、贅沢なおでんうどんとなった。

おでんそばとうどんを作る:美奈福のおでんで作ったおでんうどん

サバやイワシ、煮干しなどの魚の旨味がしっかりと感じられながらも、透き通った優しい味わいがする。美奈福のおでん種も本枯鰹節と煮干しなので相性は抜群だ。不揃いのうどんと汁が絶妙に絡み合い、複雑ながら調和のとれた味となっている。

おでんそばやうどんは余りのおでんで手軽に楽しむこともできるし、今回のように出汁をとって本格的に作ることもできる。ぜひ、おでん種専門店やお持ち帰り用おでん屋さんでおでん種を購入して、自分だけのオリジナルを生み出してほしい。

九州屋蒲鉾店の基本情報

〒116-0012 東京都荒川区東尾久4-31-11
03-3800-0328
定休日:火
営業時間:9:00~19:20
九州屋蒲鉾店のWebページ(おぐぎんざ商店街のWebページ)

美奈福の基本情報

〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-11-12
03-3666-3729
定休日:日曜、祭日
営業時間:12:30~18:00

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