立川駅のおでんそば

JR立川駅の構内にある立ち食い蕎麦屋には、おでんをトッピングした「おでんそば」が存在する。立川名物として地元の通勤客たちに愛されており、歴史もそれなりに古いようだ。

おでんそばがある立川駅

JR中央本線、青梅線、南武線が通るJR立川駅。明治22年(1889年)に開業して以来、多くの人々が利用している。2018年度の1日平均乗車人員はJR東日本の駅のなかで16位、東京の西側ではトップクラスの規模だ(参考:JR東日本・各駅の乗車人員)。

JR立川駅

この立川駅には、おでんそばを提供する立ち食い蕎麦屋がある。以前からネットでその存在を知っていたが、今まで立川駅まで行く機会に恵まれなかった。しかし、昨年秋に東京の西側にあるおでん種やさんを取材する用事があったので、帰りに立ち寄ってみることにした。

3種類のおでん種が選べるおでんそば

訪れたのは、青梅線(五日市線)が停まる1、2番線ホーム(青梅ホーム)。ここには「奥多摩そば」と呼ばれる立ち食い蕎麦屋がある。

JR立川駅

このお店はJR東日本の子会社で飲食や物販業を営むJR東日本クロスステーションが運営しているが、以前は中村亭と呼ばれる会社のお店だったそうだ。

JR立川駅:奥多摩そば

中村亭は明治33年(1900年)から立川を拠点にする老舗で、以前は駅南側で営業していた。平成26年(2014年)にJR東日本クロスステーション(旧NRE)と合併し、現在に至る(参考:俺の居場所:立川駅の駅そば「奥多摩そば」中村亭)。中村亭は昭和20年代にお客さんが蕎麦におでんをのせて食べているのを見て、おでん蕎麦を考案したそうだ。ちなみに、奥多摩そばは7、8番線ホーム(南武ホーム)にも店を構える。

JR立川駅:奥多摩そば おでんそば

お店に入って食券を購入し、カウンターで蕎麦かうどんの希望を伝える。このプロセスは普通の立ち食い蕎麦屋と変わらない。次に、さつま揚げ、がんもどき、玉子の中から希望のおでん種を伝える。さつま揚げは1枚のみだが、がんもどきと玉子は2つずつなので、がんもどき1枚と玉子1個の組み合わせも可能だ。さらに単品も追加できるので、玉子・がんもどき+さつま揚げの全種類にすることもできる。筆者はさつま揚げとがんもどきの組み合わせにしてみた。

JR立川駅:奥多摩そば おでんそば

ほかの立ち食い蕎麦屋と同じように、あっという間にできあがる。蕎麦の上には、たしかにおでん種が乗っていた。しっかり練りからしも付いている。

麺つゆに浸したさつま揚げにかぶりついてみると、まったく違和感なく美味しい。おでんと蕎麦の組み合わせは唐突なようだが、このジャンクな雰囲気が庶民的な風情を漂わせていてなんとも愛おしい。さつま揚げは宮城県塩竈のマルブン食品のもので、ニシンのすり身を4割使用している。東日本大震災によってやむなく供給を停止していたが、ファンの声が後押しとなり復活したそうだ。

JR立川駅:奥多摩そば おでんそば

ポスターにはおでんそばは立川名物と書かれている。立川を拠点とした奥多摩そば(中村亭)のオリジナルメニューだからなのだろう。

JR立川駅:清流そば

立川駅の3、4番線ホームと5、6番線ホームには「清流そば」という立ち食い蕎麦屋がある。こちらも以前は奥多摩そばだったらしいが、ここにもおでんそばがある。つまり、立川駅全ホームに立ち食い蕎麦屋があり、どこでもおでんそばが食べられるようだ。立川駅に立ち寄る機会があれば、ぜひチャレンジしてみてほしい。

奥多摩そば、清流そばの基本情報

奥多摩そば
清流そば
〒190-0012 東京都立川市曙町2-1-1(立川駅)
電話:
奥多摩そば(青梅ホーム店):042-522-5899
奥多摩そば (南武ホーム店):042-521-2314
清流そば(立川3・4番線ホーム店):042-522-8730
清流そば(立川5・6番線ホーム店):042-526-6076
定休日:年中無休
営業時間:7:00~22:00
JR東日本クロスステーションのWebサイト

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