首切地蔵で有名な南千住の延命寺で開催された「いいじぞうえんにち」に訪れ、六幸食品のこんにゃくを味わってきた。
こんにゃくや白滝を製造する六幸食品は、こんにゃくの魅力を知ってもらおうとさまざまなイベントに出店している。2024年11月23日、荒川区南千住の延命寺で行われた「いいじぞうえんにち」に訪れて、出店の様子を探ってきた。
こんにゃくの六幸食品が「いいじぞうえんにち」に出店
荒川区の西部に位置する南千住。再開発によって南千住駅周辺は大きな集合住宅や商店が集まっている。
南口周辺は昭和の雰囲気が漂っており、古い商店も数多く残る。このあたりは江戸から明治時代にかけて小塚原刑場があり、その跡地には延命寺というお寺がある。
延命寺には寛保元年(1741年)に建てられた刑死者を弔う「首切地蔵」があり、昭和60年(1985年)に荒川区の文化財に指定された。現在も地元の人々を中心に親しまれている。
かつて延命寺から山谷通り(通称、コツ通り)まで縁日が開催されており、大変な賑わいだったという。その縁日にちなんで、2019年から延命寺で「いいじぞうえんにち」という縁日の催しを開催している。
子どもたちが楽しめる輪投げやお手玉入れなどのゲーム、寄席や野菜市、キッチンカーや地元のレストランの料理が楽しめる。決して大きなイベントではないが、手作りのぬくもりある雰囲気に包まれており、子どもたちの弾けるような笑顔がそこかしこにあふれていた。
今回紹介する六幸食品は南千住でこんにゃくや白滝、ちくわぶ、ところてんの製造卸を行っている。一般向けにも小売販売を行っており、おでんに最適な商品が手に入る。六幸食品の詳細については「こんにゃく専門店の六幸食品」という記事をご覧いただきたい。
六幸食品は先々代の時代、戦後の焼け野原に6軒のこんにゃく店が集まって開業した。昭和42年(1967年)には6軒が各地に分かれたが、六幸食品は現在も同じ場所で営業を続けている。
今回の縁日のような街のイベントに積極的に出店しており、味噌おでんやイベント限定のこんにゃく商品を販売している。
味噌おでんは茹でたての熱々のものが味わえる。ぷるぷるとした食感が素晴らしく、甘く味付けされた味噌がしっかり絡む。大人だけでなく子どもたちも喜ぶひと品だ。
イベント限定の商品はこんにゃくと白滝を使った工夫の品々が揃う。しらたきチャプチェ、しらたきミートソース、そしてこんにゃく入りのバターコーンだ。また、定番商品となる刺身こんにゃくやあんみつ、味噌おでんのパッケージ版なども販売していた。
こんにゃくの消費量は年々減少し、製造販売する業者も数を減らしている。六幸食品ではより多くの人々にこんにゃくの魅力を知ってもらおうと積極的にイベントに出店しているそうだ。子どもたちが美味しそうに味噌おでんを頬張っている姿を見ると、六幸食品の思いが確実に伝わっているように感じた。
家庭でも作りたい、こんにゃくを活用した限定商品
縁日の様子を楽しんだあと、自宅に戻って六幸食品の品々を味わってみることにした。
購入したのは3品。コーンバター(こんにゃく入り)、しらたきミートソース、しらたきチャプチェとなる。
しらたきチャプチェは春雨のかわりに白滝を用いたもので、最近は家庭でもよく作られている。春雨よりも簡単でヘルシーに仕上がり、ぷるぷるとした食感も加わって優れたアレンジだといえる。辛味はなく食べやすくなっているが、味付けはしっかりしておりごはんにもよく合うだろう。人参の甘みとゴマの香ばしさが素晴らしい。
しらたきミートソースは意外な組み合わせだが不思議とよく合う。パスタほど重くならず、おつまみとしても優秀なひと品だ。さまざまな野菜のうまみが感じられるが、甘口となっていて子どものお弁当にも最適だろう。
コーンバター(こんにゃく入り)も子どもが喜びそうな味わいだ。こんにゃくが細かく刻んであり、ぽろぽろ、ぷにぷにといった食感が面白い。コーンとバターのまろやかな味わいに手づくりのぬくもりを感じる。
3種類ともこんにゃくや白滝の特長を生かしながら、意外性とともに親しみやすさを感じる品だ。これらをヒントにして、家庭でもこんにゃく製品を活用するといいだろう。
縁日のアットホームな雰囲気もさることながら、六幸食品のぬくもりある商品も心をじんわりとあたためてくれる。六幸食品は工場(こうば)で小売も行っているので、興味のある方はぜひ訪れてみてほしい。
六幸食品の基本情報
六幸食品
〒116-0003 東京都荒川区南千住2-29-8
03-3801-5075
定休日:日曜
営業時間:7:00~17:00、土曜7:00~12:00
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