東京おでんだねの閲覧傾向2022

東京おでんだねは現在4年目に差し掛かり、記事はもうじき200本に手が届きつつある。一旦の区切りとして、今回はサイトのアクセス解析のデータから閲覧傾向を見ていこうと思う。

調理方法の記事増加による閲覧傾向の変化

まずは全体のページビュー(閲覧されたページ数)やユーザ(訪問者)数などから傾向を見ていこう。2年前からおでんの調理方法に関する記事を増やし続けてきたことにより、閲覧傾向に変化があることがわかる。

東京おでんだねページビュー推移(2018年10月-2022年2月)
東京おでんだねページビュー推移(2018年10月-2022年2月)クリックして拡大

上の図は、活動をはじめた2018年10月から2022年2月までのページビューの推移(実数は非公表)。ページビューは昨年よりも伸びているが、前回の記事で予想したようにゆるやかになりつつある。2020年は前年比で1.8倍(186%)の成長率なのに対し、2021年は1.2倍(120%)にとどまった。

東京おでんだねユーザ(訪問者)数推移(2018年10月-2022年2月)
東京おでんだねユーザ(訪問者)数推移(2018年10月-2022年2月)クリックして拡大

一方、上図「ユーザ(訪問者)数推移」のとおり、ユーザ数はページビュー数よりも成長率が高かった(2020年2.2倍、2021年1.5倍)。また、セッション(訪問)数も同様の結果だった。これは1ユーザあたりが閲覧するページ数が少なくなっていることを意味する。

その原因は、おでん種の調理方法に関する記事が増え始めたところにある。調理方法の情報を求めるユーザは目的が明確なので、情報を手に入れたら他のページを見ることなくサイトから離脱してしまう。また、ユーザは全国各地から集まるので、自分の住む地域から離れた東京のおでん種専門店の情報にはあまり興味がない。実際に調理方法の記事を1ページずつ調べてみたところ、閲覧時間は非常に長いものの、その記事からの離脱率も高かった。

東京おでんだねの閲覧傾向2022:調理方法の記事

それでも、より多くの人々の注目を集めるために意識的に調理方法の記事を増やし続けた。このことで、新たなユーザに東京のおでん種やさんの存在を知るきっかけを作れたと思っている。さらに次のステップとして、彼らの潜在ニーズをより深く掘り起こし、お店のファンになってもらえる新たな価値提案を創造したいと思っている。また同様に、3月から8月までのおでんのオフピークを解消できるようなアイデアも検討していきたい。

調理方法に劣らず専門店への関心は高い

次は検索クエリのデータから「ユーザがどのような記事を求めてやってきているのか」を調べてみよう。

東京おでんだね検索クエリとカテゴリートップ10(2021年2月-2022年2月)
東京おでんだね検索クエリとカテゴリートップ10(2021年2月-2022年2月)クリックして拡大

上図の左側は昨年東京おでんだねへ訪問するきっかけとなった検索クエリのトップ10だ。検索クエリは簡単にいうと「サイトを訪れる前に検索サイト(Google)でユーザが検索したキーワード」を意味する。

これだけで見ると、じゃがいも、こんにゃく、ちくわぶなどの調理方法に関するキーワードばかり並んでいる。しかし、右側のように各クエリを同じ属性にまとめてみると、おでん・おでん種専門店に関する検索クエリが2番目に多い結果となった。

専門店に関する検索クエリは各ユーザが住んでいる地域のキーワード(たとえば、北千住や世田谷区など)が含まれやすく、個々では年間数回程度しか検索されない非常に小さなボリュームだった。しかし、膨大な種類があるため、まとめてみるとすごい数になった。まさに「塵も積もれば」である。

このような検索クエリが集まるのは東京おでんだねが東京の専門店の情報に特化しているためだが、調理方法の情報に関しては他のレシピサイトのほうが圧倒的に支持されており、こちらに誘引できていない理由もある。

東京おでんだねページカテゴリ別ページビュー割合(2021年2月-2022年2月)
東京おでんだねページカテゴリ別ページビュー割合(2021年2月-2022年2月)クリックして拡大

次に「ユーザが訪問したあとにどのページを訪れたか」を探ってみよう。上の図はページのカテゴリ(内容)別に訪問割合をまとめたものだ。専門店と調理方法の記事は人気が拮抗しているように見えるが、じつは専門店の記事は103本あり、調理方法に関しては30本(一部重複する記事あり)のボリュームの違いがある。これは明らかに後者のほうがパフォーマンスが高いといえるだろう。

先述のとおり、筆者はこのパフォーマンスの高さを利用して、調理方法の記事をおでん種専門店の関心を集める橋渡しとして役立てたいと考えている。

「おでん・おでん種専門店」記事におけるページビュー・記事数の割合(2021年2月-2022年2月)
「おでん・おでん種専門店」記事におけるページビュー・記事数の割合(2021年2月-2022年2月)クリックして拡大

おでん・おでん種専門店カテゴリの内訳も見てみよう。上の図は専門店のカテゴリにおけるページビューと記事数の割合を示しており、東京都内の市区町村別に上位15位まで掲載している。

最も閲覧されていて、かつ1記事あたりのパフォーマンスが高いのは世田谷区だ。世田谷区には話題性のあるお店が2軒ある。2019年に閉業した有名店、おがわ屋から独立したよね屋と「しいたけサンド マカロンスタイル」がTVで紹介されたや亀やだ。地元の世田谷区からのアクセスが最も多く、渋谷や横浜など東急沿線の地域からも閲覧されている。

東京おでんだねの閲覧傾向2022:「墨田区のおでん種やさん巡り」の記事

墨田区も世田谷区に劣らず閲覧されており、とりわけ「墨田区のおでん種やさん巡り」という記事が人気だ。この記事は墨田区の名所を散歩をしつつおでん種専門店を巡る内容で、観光ニーズを満たすものだった。このため、地元民だけでなく広範囲の地域から注目を集めたようだ。

葛飾区北区は記事数が多いにもかかわらず、パフォーマンスは思うように伸びていない。この2区の共通点は人気のおでん酒場があることだ。葛飾区立石の丸忠かまぼこ店、北区赤羽の丸健水産、王子の平澤かまぼこ、どれも他のサイトで嫌というほど取り上げられているため、記事数のわりに閲覧数が少ないのだと思う。

おでん種専門店が少ない地域は順位が下になる傾向にあるが、魅力的なお店がありながらも注目を集めていない地域もある。そういった地域のお店にフォーカスを当てるのが筆者の使命だと勝手に思っているので、今後はより注力していきたい。

より多くの人々に東京のおでん種やさんの魅力を伝える

最後に「どの地域のユーザが訪問しているか」を見ていきたい。下の図は地域別訪問ユーザの割合をまとめたものだ。東京都がほぼ半数を占めており、ユーザの在住地域にあるおでん種専門店の記事を閲覧していることが多い。これは東京おでんだねの目的と合致するので、今後も閲覧母数を増やすことに注力していくべきだろう。

東京おでんだねの地域別訪問ユーザの割合(2021年2月-2022年2月)
東京おでんだねの地域別訪問ユーザの割合(2021年2月-2022年2月)クリックして拡大

大阪や愛知県、そのほか関東以外の地域は調理方法に関する記事を閲覧している傾向にある。これも当然の結果だが、彼らに東京のおでん種専門店の魅力を伝えることが挑戦のひとつだと思っている。全国の注目が集まれば、より多くの人々が東京の専門店に足を運ぶきっかけとなり、その価値を認識してくれるはずだ。また、全国のおでん種専門店の魅力が再認識され、業界全体を活気づける一助になるかもしれない。

神奈川県や埼玉県、千葉県といった東京近郊からの訪問も多いが、これらの地域はかつて多くのおでん種専門店が存在していた。現在営業しているお店は東京のお店との関係が深い場合もあるので、今後は積極的に記事にしていこうと思っている。

個人の趣味の範囲なのでさほど影響力はないとは思うが、今後も閲覧データを見ながら、より多くの人々に東京のおでん種専門店の魅力を伝えていければと思っている。「こんな記事が読みたい」「こんなことが知りたい」などのご意見があれば、ぜひお問い合わせページからお知らせいただきたい。

Scroll to top