豊橋名物、ヤマサちくわ

豊橋の名物として全国屈指の知名度を誇るヤマサちくわ。日本橋に期間限定で出店していたため、足を運んでその魅力を探ってみた。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ

東京で購入できるヤマサちくわの商品は「特製ちくわ」など定番のものに限られている。しかし、定期的に百貨店などに出店するので、普段手に入らない商品を購入できる。今回は出店先の日本橋高島屋に訪れて、季節限定商品を購入してみた。

豊橋の名物、ヤマサちくわ

ヤマサちくわといえば、東海道新幹線を利用した際のおつまみやお土産として手にした方も多いだろう。昭和初期に豊橋駅構内で販売を開始し、豊橋の名物として全国に知られるようになった。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ

ヤマサちくわのはじまりは文政10年(1827年)と古く、2027年には創業200年を迎える。原料魚にグチやエソ、ハモを使われ、臼で練り合わせたすり身は成形と加熱を経てちくわとなる。各工程には長年培った職人の技が生かされているが、1日で約20万本を生産する設備と体制を整えている。

豊橋市民のソウルフードとして親しまれているが、最近では豊橋が舞台の大人気ライトノベルのアニメに登場したことで新たなファンを獲得している。ヤマサちくわのネット通販ではコラボ商品を発売しており、大きな反響があるようだ。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ

東京でもヤマサちくわの商品は手に入るが、商品の種類が限られている。百貨店などに出店するときは種類が豊富なので、興味のある方は利用してみるといいだろう。

東京都中央区日本橋2丁目:本館 日本橋高島屋

2024年の夏は、日本橋高島屋で8月22日から27日まで出店していた。全国の名産品が揃う地下1階の「味百選」の一角に個性豊かな商品が並んでいた。

出店初日からヤマサちくわのファンが多く訪れ、連日盛況だったという。店員の方には売れ筋や新商品を案内していただくなど、丁寧な接客で気持ちよく買い物できた。

定番から限定品まで、個性が光るヤマサちくわの商品たち

今回は多くの種類のなかから、定番の「特製ちくわ」と季節限定となる3商品を購入した。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(旬のちくわ、特製ちくわ、えだ豆くん黒胡椒、帆立焼くん)

左上から旬のちくわ(鱧)、特製ちくわ、左下はえだ豆くん(黒胡椒)、帆立焼くんだ。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(特製ちくわ)

特製ちくわは本数によって包装が変わり、10本入りのものはお土産品のような風情がある。包装紙を外すと5本入りのものが2つ入っている。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(特製ちくわ)

食べやすく調理しやすいサイズとなっており、そのまま食べても美味しい。上品な舌触りとほどよい足(弾力)が心地よい。魚のうまみがぎゅっと詰まっており、どんな料理にも合いそうだ。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(特製ちくわ・冬瓜・椎茸の冷やし鉢)

今回はヤマサちくわが開催している交流会「豊・食・人 GEN-B」(げんび〜)」のInstagramに掲載されている料理を参考に調理してみた。GEN-Bは食文化にまつわるモノ、コトを見つめる集まりで、料理教室やセミナー、田植えツアーなど、枠にとらわれない活動を行っている。

参考にした料理は特製ちくわと冬瓜、椎茸を使った冷やし鉢。冬瓜を下茹でして椎茸と一緒に煮たあと、ちくわを合わせて軽く火を通す。粗熱をとって冷蔵庫で冷やせば完成だ。冬瓜に椎茸とちくわのうまみが染み込みつつも、瑞々しく爽やかな食感となっている。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(旬のちくわ・鱧)

旬のちくわはヤマサちくわが創業180周年を迎えたときに生まれたこだわりの商品だ。獲れたての魚を用い、毎月種類が変わる。今回の出店では7月の鱧(はも)が限定復活して販売された。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(旬のちくわ・鱧)

1月の金目鯛、6月の伊佐木、12月の平目など、季節ごとの魚の味を比較して味わえるのは魅力的だ。鱧は非常に上品な味わいで、口に含むと豊かなコクのある味わいを楽しめる。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(旬のちくわ・鱧、セロリ・ミニトマトのオリーブオイル和え)

魚本来の美味しさを味わうなら、そのまま何もつけないで楽しむといいが、GEN-Bにならって軽く調理してみた。ちくわとミニトマト、セロリ、セロリの葉をオリーブオイルとレモン汁で和えたもので、鰖(たかべ)のちくわのレシピとして紹介していた。

爽やかなセロリとコクのある鱧の相性がよく、すり身のうまみを強調してくれる。セロリの歯触りもよく、夏にぴったりの一品だ。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(えだ豆くん黒胡椒)

「えだ豆くん(黒胡椒)」は春夏限定の商品で黒胡椒はクラタペッパーを用いている。クラタペッパーは世界一美味しいといわれたカンボジアの胡椒を伝統的な農法で現地生産している。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(えだ豆くん黒胡椒)

クラタペッパー独特のフルーティな香りと、ぷりっと爽やかな枝豆の甘み、上品なすり身の調和が素晴らしい。黒胡椒の入っていない「えだ豆くん」もあり、春夏の人気商品となっている。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(帆立焼くん)

「帆立焼くん」は新たに加わった夏季限定の商品だ。ホタテのほかにしゃきしゃきとした食感が魅力のクワイが入っている。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(帆立焼くん)

口に含んだ瞬間にホタテの味わい深い風味が広がり、贅沢な気分を楽しめる。噛むごとにそのうまみが広がり、食べ終わるのがもったいないと思わせる。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ(えだ豆くん黒胡椒・帆立焼くん)

ヤマサちくわは定番の特製ちくわも美味しいが、創意工夫に富んだ限定商品にも力を入れている。東京で味わえる機会は少ないが、百貨店の催事やネット通販を利用すれば比較的容易に手に入る。

愛知県豊橋市魚町:ヤマサちくわ

SNSによる情報発信にも力を入れているので、フォローして細かくチェックするといいだろう。また、観光がてら豊橋の本店に直接訪れてみるのも面白いかもしれない。

ヤマサちくわの基本情報

ヤマサちくわ 本店
〒440-0894 愛知県豊橋市魚町97
0532-53-2211
定休日:無休
営業時間:7:00~20:00
ヤマサちくわのウェブサイトオンラインショップInstagramX(Twitter)FacebookLINE
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