よね屋が南町田に移転オープン

世田谷区世田谷(上町)で営業していたさつま揚げ専門店のよね屋が2024年9月21日に町田市南町田に移転オープンした。

東京都町田市南町田:よね屋

2024年7月15日にSNSで閉業の告知が投稿されていたが、約2ヶ月後に南町田1丁目に移転オープンすることとなった。オープン当日に店舗にお邪魔し、店主の米田正祐さんにお話をうかがった。

世田谷から南町田へ、よね屋が南町田へ移転オープン

よね屋は世田谷の松陰神社前で営業していた有名店であるおがわ屋の職人さんとともに、店主である米田正祐さんが立ち上げたお店だ。閉業したおがわ屋の味を求める常連客や、次々に生まれるさまざまな種類のさつま揚げを楽しみにやってくる人々に愛されていた。

東京都世田谷区世田谷:よね屋
世田谷区世田谷で営業していた頃のよね屋

2020年9月から4年ほど経った2024年7月、よね屋のSNSアカウントで閉業の告知があった。人気のお店だったこともあり驚きの声が多かったが、2ヶ月経った9月21日に南町田に移転オープンすることとなった。

東京都町田市南町田:よね屋

町田はよね屋にとって縁が深い場所である。1990年代の後半まで町田駅前には「玉の家」というおでん種専門店が存在していたが、よね屋で働く職人さんは、かつて玉の家で練り物をつくっていた。玉の家の味を求めて町田から世田谷に足を運ぶファンも多かったという。

東京都町田市南町田:よね屋

広くなった店内には、オープン初日にもかかわらず多くのお客さんが訪れていた。店主の米田さんははじめて訪れるお客さんにさつま揚げを試食させ、商品の種類や特徴を解説していた。親子2代で玉の家のファンだったというお客さんは、よね屋が移転してくれて本当に嬉しいと言葉を投げかけていた。

東京都町田市南町田:よね屋

さつま揚げのラインナップは世田谷時代と変わらず豊富だ。訪れた日は初日とあって少なめの13種類だったが、秋冬には20種類以上が揃う。季節や日によってラインナップが少しずつ異なるので、毎回訪れる楽しみがある。

東京都町田市南町田:よね屋

松陰神社前で営業していたおがわ屋の名物である「松陰ジンジャー」も健在だ。現在はジンジャーという名称で販売を続けている。魚のすり身は環境にあわせて日々改良を重ね、この4年間でさらに美味しくなったという。

東京都町田市南町田:よね屋

お店の奥には世田谷店で掲げていた文字看板が飾られている。世田谷のお店は、当時おがわ屋や松陰神社前に縁のあった人々の協力で開店した。この文字看板は米田さんや彼やお店を慕う人々の想いが詰まった象徴的な存在ともいえるだろう。

東京都町田市南町田:よね屋

移転オープンには世田谷時代の協力者の方々もお祝いに駆けつけていた。筆者は世田谷でのオープン時にお会いしており、よね屋への想いを聞かせていただいた。現在でもその絆は強く、広くなった店内の活用方法について意見を交わしている姿は「よね屋ファミリー」であることが窺えた。

東京都町田市南町田:よね屋の名誉顧問ライム

名誉顧問であるシーズーのライムくんも駆けつけた。彼は世田谷店の開店時、協力者の呼び込みに活躍したという。松陰神社前ではアイドル犬として親しまれていただけあり、おとなしくお座りしていて可愛らしかった。

東京都町田市南町田:よね屋

移転先は町田市南町田の町谷原通り沿いとなる。店舗横と裏に駐車場を設けているので車でのアクセスがおすすめだ。

バスを利用する場合は、小田急小田原線・横浜線町田駅に隣接する町田バスセンター、東急電鉄田園都市線のつくし野駅、すずかけ台駅から神奈川中央交通のバスに乗り、町谷原の停留所が最寄りとなる。また、南町田グランベリーパーク駅からは徒歩で20分ほどの距離になる。

種類が豊富で個性が光る、よね屋のさつま揚げ

今回は販売しているすべての商品を購入した。オープン初日となるため13種類となる。

東京都町田市南町田:よね屋のさつま揚げ

時計回りに12時から、ぴり辛、かきあげ、たくあんこんぶ、たまねぎ、なんこつ、桜えび、まる天、チーズまき、なす、れんこん、ジンジャー(中央左)、枝豆(中央右)、コーン(中央下)。

東京都町田市南町田:よね屋 ジンジャー

おがわ屋の人気商品だった「松陰ジンジャー」は「上町ジンジャー」を経て「ジンジャー」という名前で販売が続いている。紅生姜の香りが際立つが、長ネギ、人参、もやしなども入っているためふくよかな味わいとなっている。

東京都町田市南町田:よね屋 たくあんこんぶ

「たくあんこんぶ」は沢庵と魚のすり身という異色の組み合わせだ。沢庵の塩味と独特の香り、そして歯ごたえが不思議とマッチしている。細切りの昆布も味に深みを与えている。

東京都町田市南町田:よね屋 かきあげ

「かきあげ」はおがわ屋の時代に「もやし入りかきあげ」として世田谷みやげにも選定された逸品。松陰ジンジャーの兄弟ともいえる存在で、もやし、長ネギ、人参などが入っている。

東京都町田市南町田:よね屋 ぴり辛

「ぴり辛」は、かきあげに唐辛子を加えたもので、適度な辛さが食欲をかき立てる。お酒のお供にぴったりだ。

東京都町田市南町田:よね屋 まる天

「まる天」は魚のすり身だけのプレーンなさつま揚げだ。具材が入っていないぶん、さつま揚げ本来の味わいを堪能できる。ソフトな食感と噛むごとに滲み出る魚のうまみを楽しむことができる。

東京都町田市南町田:よね屋 なんこつ

「なんこつ」は黒胡椒の辛さと香りが素晴らしい。刻んだ軟骨は魚のすり身のソフトな食感とのコントラストが素晴らしく、大人のさつま揚げといった印象だ。

東京都町田市南町田:よね屋 桜えび

「桜えび」は浅く揚げた白いすり身に鮮やかな桃色が映える。口に含むと桜エビの豊かな香りが広がり、上品な味を楽しめる。

東京都町田市南町田:よね屋 たまねぎ

「たまねぎ」はすり身にスライスした玉ねぎが入っており、自然の甘みを楽しめる。しゃきしゃきとした歯触りも心地よい。

東京都町田市南町田:よね屋 枝豆

「枝豆」はひと口サイズのすり身に枝豆がたくさん入っていて、爽やかな夏の味わいを楽しめる。緑色の鮮やかな発色は、舌だけでなく目も楽しませてくれる。

東京都町田市南町田:よね屋 コーン

「コーン」も黄色の発色が美しい。弾けるコーンの甘さ、粒々の楽しい食感は、子どもだけでなく大人も虜になるだろう。

東京都町田市南町田:よね屋 チーズまき

よね屋はおつまみとして楽しめるさつま揚げが多いが、おでん種にもってこいの商品も揃う。「チーズまき」はスタンダードなつくりとなっているが、均一なすり身の巻き具合に職人の技が垣間見える。

東京都町田市南町田:よね屋 れんこん

「れんこん」は輪切りにしたレンコンのさつま揚げだが、魚のすり身の厚みが絶妙だ。レンコンのしゃきしゃきとした歯触りを残しつつ、ふっくらとしたすり身の食感も楽しめる。

東京都町田市南町田:よね屋 ナス

「なす」は縦に切ったナスとすり身がほどよく融合し、うまみを吸い込んだ油が満足感を与えてくれる。おでんにする際は温める程度にさっと煮るといい。

東京都町田市南町田:よね屋

新天地となる南町田で営業を再開させたよね屋。世田谷と変わらず多くの人々の愛情に支えられながら、さらなる発展を遂げていくのだろう。店頭に並ぶ商品は日々異なるので、Instagramなどよね屋のSNSアカウントをフォローしてチェックしてほしい。

よね屋の基本情報

手作りねりもん よね屋
〒194-0005 東京都町田市南町田1-12-1 NKビル1F
042-850-7027
定休日:火曜、水曜、木曜
営業時間:12:00~18:00(準備出来次第開店、売り切れ次第終了)
南町田のよね屋のX(Twitter), 世田谷のよね屋のX(Twitter)
よね屋のInstagram

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