塚田水産の麻布台ヒルズ店

今回は麻布台ヒルズに支店を開業した、吉祥寺の塚田水産を紹介しよう。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店のおでんと揚げ蒲鉾

2022年に伊勢丹 新宿店に支店をオープンした塚田水産だが、2024年3月13日には開業したての麻布台ヒルズに2軒目となる支店をオープンした。揚げ蒲鉾を中心とした練り物やおでん種のほかに、店頭で調理したできたておでんも販売している。

伊勢丹 新宿店に続き、麻布台ヒルズに支店をオープンした塚田水産

麻布台ヒルズは、森ビル30年以上前から手がけてきた都市再生事業だ。広大な敷地にはオフィスをはじめとして、住宅、ホテル、インターナショナルスクール、商業施設、文化施設が一堂に集まる。

東京都港区麻布台:麻布台ヒルズ

「緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街 – Modern Urban Village -」というコンセプトのとおり、屋外に出ると緑に囲まれた開放的な空間が広がっている。

東京都港区麻布台:麻布台ヒルズ

訪れた日は日本人だけでなく外国人の多さが目についた。「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」がお台場から麻布台に移転した影響であろうか。この周辺は大使館が多く集まっており、以前から在住する外国人が多いことも考えられる。

東京都港区麻布台:麻布台ヒルズ(麻布台ヒルズマーケット)

さて、お目当ての塚田水産はガーデンプラザCの地下1階にある麻布台ヒルズ マーケット内で営業している。

手づくりの揚げ蒲鉾を中心に商品を展開しているのは吉祥寺本店や新宿伊勢丹店と同様だが、特筆すべきは店頭で調理したおでんを販売していることだ。

お店の方にお話をうかがうと、このおでんは評判がよく、買い求めるお客さんが多いという。たしかに麻布台周辺にはおでんのテイクアウトをしているお店は少ない。さらに職人が手づくりしたおでん種を使用しているのだから、人気がないはずがない。

おでんは練り物や定番の具材のほか季節の野菜も提供しており、日によって種類が変わる。訪れた日は冬瓜、水菜、えのきたけを用意していた。水菜やえのきたけはオーダーが入ってから鍋に入れるのでくたびれず、最高の状態のものを味わえる。

そのまま食べても、おでんにしても美味しい! 塚田水産のおでん種

塚田水産の麻布台ヒルズ支店でできたておでんと揚げ蒲鉾を購入し、自宅で味わってみることにした。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店のおでんと揚げ蒲鉾

できたておでんは野菜を中心に4種類。冬瓜、えのきたけ、東京揚げ、げそ巻。揚げ蒲鉾はお好みキャベツ天、あさりネギ揚げ、海鮮揚げの3種類を購入した。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店のおでんと揚げ蒲鉾

塚田水産では購入した商品を丁寧に梱包してくれる。温かいおでんと冷たい揚げ蒲鉾は別包装となる。レジでは保冷剤をつけてくれるので、冷たいものを購入した際は頼むといい。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店のおでん

おでんは容器に加えてポリ袋に入れてくれるが、さらにおでんと汁もポリ袋に入れる三重構造となっている。しっかり口を結んでくれるので、持ち運んだ際にこぼれる心配を最小限にとどめてくれる。このような細やかな気配りを目の当たりにすると、塚田水産のこだわりを実感できる。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店のおでん

まずは店頭で調理したおでんを味わってみよう。たっぷり汁を入れてくれるので、温め直せばエアコンで冷えた身体も温まるだろう。鍋に移す場合は、ポリ袋の底部をハサミで切り、汁を先に移すと扱いやすい。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店のおでん 冬瓜

冬瓜は大根とは異なる魅力にあふれている。口に含むとふっくら、みずみずしい食感に、じんわりおでん汁が染み渡っている。さっぱり味わえるので、夏のおでんにぴったりの食材だ。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店のおでん えのきたけ

えのきたけは鍋の定番であり、おでんに入れても美味しい。細かな隙間に汁をたっぷり抱き込んでおり、癖のないえのきたけの風味とふんわり折り重なる。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店のおでん 東京揚げ

東京揚げは東京出身の方にもあまり馴染みがない具材だと思うが、平成10年(1998年)に開発された豆腐由来のおでん種だ。現在は塚田水産のみが製造販売している。ふんわりとした食感のなかに魚のすり身のうまみがしっかり感じられる。

東京揚げの詳細については「東京揚げという名のおでん種」という記事で詳しく紹介している。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店のおでん げそ巻き

おでんには練り物の存在が欠かせない。よく「おでんは出汁が命」という言葉を耳にするが、練り物から出るうまみが最高の味を引き出す。今回チョイスしたのはゲソ揚げで、紫イカの大きな下足(ゲソ)のみを使用した揚げ蒲鉾だ。噛めば噛むほどイカのうまみがにじみ出るが、魚のすり身が全体の味をまろやかにし、ゲソの美味しさを引き立てている。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店の揚げ蒲鉾

おでんとして調理していない揚げ蒲鉾も購入した。塚田水産の揚げ蒲鉾は種類が豊富でどれにしようか毎回迷ってしまう。塚田水産では若手の意見も参考にしながら、季節に応じた具材などを組み合わせて商品化している。

おでんにしても美味しいが、本来の味を堪能するならそのまま食べてもいい。生姜やわさび、醤油やポン酢などをつけて、好みの味を見つけてほしい。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店の揚げ蒲鉾 キャベツお好み天

存在感のあるキャベツと紅生姜が魅力のキャベツお好み天は、その名のとおりお好み焼きの具材を加えているが、すり身を使用しているだけあって、さっぱりとしながら魚のうまみを存分に味わえる。また、ふっくらとしながらも蒲鉾の命である「足(弾力)」も感じられる。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店の揚げ蒲鉾 あさりネギ揚げ

あさりネギ揚げは初夏の味であるアサリがたっぷり入った贅沢な揚げ蒲鉾だ。ネギとの組み合わせは深川丼を彷彿とさせる。ボリュームもあるのでシェアするのもいいだろう。

東京都港区麻布台:塚田水産 麻布台ヒルズ店の揚げ蒲鉾 海鮮揚げ

海鮮揚げはエビやホタテがふんだんに混ぜてあり、満足度の高い逸品だ。弾けんばかりのエビの食感が素晴らしく、すり身との相性も抜群だ。塚田水産ではエビを使った限定品を多く販売しており、足しげく通ってすべての商品を味わってみるのも面白いかもしれない。

港区には麻布十番の福島屋というおでん種専門店が営業しているが、職人が手づくりするおでん種を入手できるお店は非常に少ない。塚田水産が麻布台ヒルズに開店したことで東京の伝統的な練り物文化があらためて認知される機会を得たことは非常に喜ばしいことだ。さらに、麻布台は海外の人々が多く集まる場所であり、東京だけでなく日本の食を代表する蒲鉾やおでんの魅力が世界規模で広まるきっかけとなることを期待したいと思う。

塚田水産 麻布台ヒルズ店の基本情報

塚田水産(麻布台ヒルズ店)
03-5544-9636 (代表) ※サービスカウンター
〒106-0041 東京都港区麻布台1(麻布台ヒルズ マーケット)
営業時間:10:00~20:00
塚田水産(麻布台ヒルズ店)のWebサイト

塚田水産の基本情報

塚田水産
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-8
0422-22-4829
定休日:1月1日~1月3日
営業時間:9:30~19:00
塚田水産のWebサイト
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