北区十条駅にある満留賀(まるか、北区上十条2-7-15)は、こじんまりとしたお店ながらもバラエティ豊かな料理が魅力のお蕎麦屋さんだ。今回は満留賀でおでんうどんを味わった。
JR十条駅の南口から南へ進むと満留賀がある。埼京線の線路沿いにあり、赤い看板と藍色の暖簾が目印だ。
店先には昔ながらの料理サンプルと一緒にメニューが掲げられている。上段真ん中におでんうどんの文字を確認して暖簾をくぐると満席だった。訪れたときは午後1時半だったが、テーブルは3つ、座敷は1つのこじんまりとしたお店なのでしょうがない。常連のご好意で早めに会計を済ませていただいた。お礼を言うと「いいよ、いいよ」と微笑んでいただき、十条は人情あふれる街なのだなと実感した。
店内はこじんまりとしているが、料理はバラエティに富んでいる。蕎麦やうどんはもちろん、定食も揃えている。また、おつまみも多いのでお酒を楽しむこともできる。
客層は常連客ばかりだが、若い人たちも多かった。食事のあとに本を読んでいたりと、各々のんびりとくつろいでいる姿が印象的だった。
お店の前でおでんうどんがあることは確認しているが、あらためてメニューを開いてみる。おかみさんによると、おでんそばにもできるらしい。
しばらく待つと、おでんうどんが運ばれてきた。取り分け用の底の深いお皿と小口切りした長ネギの薬味が一緒に付いてくる。
おでんはさつま揚げ、ごぼう巻、大根、玉子、こんにゃく、結び昆布、鰯つみれ。うどんつゆは非常にまろやかで甘く、かえしは刺々しさがない。うどんは柔らかめだが、喉越しはつるりと心地よい。
取り分け用のお皿におでんを移して食べるとちょっと贅沢な気分になる。おでんの種類は同じ北区にある志茂の新力家とまったく同じ構成なのだが、仕入れ先が一緒なのだろうか。
満留賀は接客担当のおかみさんが可愛らしく、常連客に心配りをしているさまを眺めるのが楽しかった。筆者が訪れた日は汗ばむ陽気だったが、いつも冷やしを頼むお客さんが温かい蕎麦をオーダーすると「体調悪いの?」と心配したり、「天ぷらにカボチャが入るけど好き嫌いはある?」と聞いたりと、昨今のチェーン店にはない人のぬくもりを感じた。
十条は駅前の再開発によって街の様相が一変することが予想されるが、いつまでも人情に篤い街であり続けてほしいと思う。
満留賀の基本情報
満留賀
〒114-0034 東京都北区上十条2-7-15
03-3905-0080
定休日:土曜
営業時間:11:00~15:00, 17:00~21:00