仏壇や仏具の専門店が多く集まる東京メトロの稲荷町駅には秋月庵（台東区東上野5-4-19）がある。昭和の雰囲気を残す街のお蕎麦屋さんで、おまけのサービスがある良心的なお店だ。
稲荷町駅のある交差点から清洲橋通りを北に向かうとすぐに緑色の日よけの店舗を発見できる。こちらがおでんそばやうどんを提供している秋月庵だ。
かすかに色褪せた暖簾が歴史を感じさせ、非常に情緒がある。お店を訪れた方々のレビューによると、ボリュームが多く価格も良心的で、おまけのサービスもあるそうだ。
今回、別の用事があって通りかかったのだが、店先のメニューに「おでんそば・うどん」の文字を偶然発見した。この文字を見るとついつい興奮してしまう。
店内はテーブルが6つ（23席）ほど並び、ゆったりと座って食事を楽しめる。壁に貼ってあるメニューにも「おでんそば・うどん」を確認。今回は蕎麦を選び、店主にオーダーしてからしばらく待つ。
秋月庵は薬味となる長ネギの小口切りのほかに、蒲鉾と油揚げをサービスしてくれる。お蕎麦に加えるものだと思うが、料理を待つ間に味わってもいい。油揚げはきつねに乗っているような甘辛いものだ。
何分かするとおでんそばが運ばれてきた。おそらくはラーメンの器だと思うが、けっこうなボリュームだ。
おでん種はさつま揚げ、大根、玉子、こんにゃく、焼きちくわ、結び昆布、白滝という豪華な仕様。さらに海苔と斜め切りの長ネギ、そして舞茸の天ぷらも乗っている。この舞茸の天ぷらはどのメニューにもおまけとしてサービスされているようだ。
蕎麦つゆはまろやかで甘さもあり、おでん種との相性がとてもよい。また、とろけた海苔も温かい蕎麦とよく合い、味に深みを与えている。斜め切りの長ネギは小口切りとはまた異なる美味しさと風味がある。おでん種はほかのお店よりもたくさん種類があって、さまざまな味を楽しめる面白さがあった。
お会計のときに缶コーヒーなどのドリンクをおまけしていただいたりと、とにかくサービス精神が旺盛なお店だった。帰り際に店主に挨拶していただいたが、非常に丁寧で恐縮してしまった。
外観だけ見ると常連客しか受け付けないような抵抗感が若干あるが、店内に入ればあたたかく迎えてくれる。ふらっと歩いて偶然このようなお店に出会うと、とても得した気持ちになる。
秋月庵の基本情報
生蕎麦 秋月庵
〒110-0015 東京都台東区東上野5-4-19
03-3841-3211
定休日：日曜
営業時間：11:00〜14:00, 17:00〜19:30