梅屋蒲鉾店の冷やしおでん

今回は八王子の長房で営業する梅屋蒲鉾店の冷やしおでんを紹介しよう。東京おでんだねでは2019年以来、2度目の紹介となる。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店の冷やしおでん

梅屋蒲鉾店は2023年に「八王子お店大賞」を受賞した地元民に愛されるおでん種専門店だ。夏季には揚げ蒲鉾と天ぷらのみ販売していたが、2024年は冷やしおでんとあたたかいおでんも購入できるようになった。

夏季もさまざまな商品を展開する梅屋蒲鉾店

八王子駅からひとつ隣の西八王子駅。ここからバスで8分ほど進んだ先にマンモス団地として有名な長房団地がある。

東京都八王子市長房町:都営長房団地

昭和39年(1964年)に建てられ、現在では多くの棟で建て替えが進んでいる。近くにはカインズ八王子長房店がオープンし、スーパーアルプス長房店もカインズに隣接する敷地へ移動した。古き良き昭和の雰囲気から、すこしずつ若い世帯をターゲットにした場所へと変化している。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店

梅屋蒲鉾店は長房新栄商店街という昔ながらの風情を残す商店街で営業している。初代店主が杉並区高円寺の愛川屋(閉業、杉並区高円寺南3-45-15)で修行したあと、昭和43年(1968年)に独立した。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店(梅津孝晴さん)

現在は初代の息子さんである梅津孝晴さんがお店を引き継いでいる。昔ながらの石臼を使い、日々変化する気温や湿度、原料の状態をみながら手づくりの練り物をつくり続けている。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店(八王子お店大賞)

梅屋蒲鉾店は2023年に八王子商工会議所が主催する「八王子お店大賞」を受賞した。エントリー総数547店、投票数は1803票におよび、受賞店は8店のみ。梅屋蒲鉾店が地元の人々に愛されていることがよくわかる。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店(八王子お店大賞)

取材時も常連客が次々と訪れていた。なかには梅屋蒲鉾店で揚げ蒲鉾を買うのが日課になっているお客さんもいて、注文もせずにお金だけを渡していた。店主も当たり前のように商品を手渡し、阿吽の呼吸が生まれていた。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店の冷やしおでん

暑くなる時期はおでんの閑散期となり、梅屋蒲鉾店でもお休みが多くなる。しかし、2024年からは夏でも楽しめる冷やしおでんを開始し、夏場も販売に力を入れようとしている。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店の冷やしおでん

可愛らしいカップのなかに定番のおでん種を入れ、ジュレやコーン、枝豆をトッピングした1日10個の限定商品だ。夏にぴったりの商品で、毎日完売する人気商品になりつつある。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店のできたておでん

店頭で調理するできたておでんも継続して販売することになった。エアコンで冷えた身体をあたためられるだけでなく、夏バテ予防も期待できる。練り物には9種類のアミノ酸をバランスよく含んだ良質なタンパク質が含まれており、免疫力を高めるのだ。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店の野菜の天ぷら

野菜の天ぷらは通年商品だが、手頃な値段で多くの種類を味わえる。蕎麦やそうめんなどと一緒に食べるといいだろう。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店のお中元

梅屋蒲鉾店の練り物はお中元にも活用できる。職人がつくる本格的な揚げ蒲鉾を贈り物にするなんて、粋で格好いい。梅屋蒲鉾店のECサイトでもオーダーできるので、時間のない方にはおすすめだ。

しっかり味の染みた梅屋蒲鉾店の冷やしおでん

さて、ここからは冷やしおでんを詳しく紹介していこう。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店の冷やしおでん

カップのなかに入っているおでん種は5種類ほどとなり、それぞれ半分ほどの大きさに切ってある。おやつや晩ごはんのプラス一品として最適なサイズだ。カップは汁が漏れにくい構造になっているが、ジュレを乗せているため持ち運ぶ時間を考慮する必要がある。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店の冷やしおでん

おでん種はランダムだが、今回は大根、玉子、焼きちくわ、こんにゃく、野菜揚げが入っていた。ジュレのほか、コーンと枝豆が入っており、華やかな印象となっている。

きちんと煮てから冷やしているため、それぞれしっかり味が染みている。すり身はうまみをしっかり残しており、野菜揚げはもやしのしゃきしゃきとした歯触りと人参の甘みがすり身の美味しさを引き立てている。汁も出汁のうまみを感じさせながら、飲み口はふんわりやさしく広がる。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店の野菜の天ぷら

一緒に購入した野菜の天ぷらも紹介しておきたい。こちらも種類はランダムになるが、今回は人参、さつまいも、インゲン、ピーマン、ナス、ちくわの組み合わせだった。

現在は夏野菜が中心のラインナップとなっており、みずみずしさが感じられる。また、焼きちくわがあるのもうれしいところだ。衣はしばらく経ってもからっとしているが、しんなりしても油のしつこさは感じられない。醤油をかけてもいいが、ぜひ天つゆと大根おろしで味わっていただきたい。

ひと口食べれば、店主のやさしさと真摯な姿勢が感じられる

店主の孝晴さんは初代から蒲鉾づくりを教わる機会がほとんどなく、試行錯誤の末に初代がつくる品質に近づけることに成功した。お話をうかがっていると、梅屋蒲鉾店を存続させ、お店を手伝ってきたお母様や応援してくれる常連客に報いたいという心やさしい気持ちがひしひしと伝わってくる。

東京都八王子市長房町:長房新栄商店街

お店の周辺はかつての賑わいが失われつつあるが、孝晴さんは多くの人に足を運んでもらえるようにSNS(Instagram:umeyakamabokoten)を駆使してお店の情報を発信し続けている。また、今回紹介した冷やしおでんのほか、魅力的な商品を開発している。

東京都八王子市長房町 長房新栄商店街:梅屋蒲鉾店の冷やしおでん

お店に訪れるのはもちろん、ECサイト楽天市場の八王子市ふるさと納税で商品を手に入れてもいい。一度味わってみれば、孝晴さんのやさしい人柄や練り物に対する真摯な姿勢が伝わってくるはずだ。

夏季の営業時間は梅屋蒲鉾店のGoogle Mapsで確認できる。おでかけの前にはご確認いただき、足を運んでもらいたい。

梅屋蒲鉾店の基本情報

梅屋蒲鉾店
〒193-0824 東京都八王子市長房町551
042-661-7317
定休日:日、月
営業時間:9:30~18:30
梅屋蒲鉾店のWebサイトInstagram

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