蒲元のお惣菜

江戸川区の江戸川共栄商店街(エトワールモール)にある蒲元は、おでん種専門店であるがお惣菜も充実している。今回は看板商品の小松菜コロッケのほかに、揚げ物メインのお惣菜を紹介していく。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜

東京おでんだねでは2019年1月に蒲元の訪問記事を掲載している。その際はおでん種を紹介したが、魅力的なお惣菜もたくさんあるのでぜひとも紹介したい。

江戸川共栄商店街の変遷と蒲元のルーツ

蒲元がある江戸川共栄商店街は、エトワールモールという愛称で親しまれる商店街だ。都営新宿線の瑞江駅から徒歩10分ほどの場所にある。

東京都江戸川区江戸川一丁目:江戸川共栄商店街

かつては100軒以上のお店が並び、人が溢れかえるほどの人気だったが、昭和61年(1986年)に瑞江駅が開業してから寂れつつあるという。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:江戸一ショッピングセンター跡地

以前の記事でも紹介した江戸一ショッピングセンターの跡地は取り壊され、駐車場として利用されていた。現在、食品を取り扱うお店は蒲元のほかに、和洋菓子店とスーパーのみとなってしまった。以前訪れた山本豆腐店も昨年56年の歴史に幕を閉じたそうだ。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元

蒲元の店主は葛飾区亀有の「つくよね」というおでん種専門店で修行をしたのち、昭和50年(1975年)に江戸川共栄商店街で独立開業した。同じお店で働いていた方も同じ商店街で開業したが、そちらはしばらく前に閉業したという。

亀有の「つくよね」について調べてみたが、おかみさんいわく「東和銀座にあった」とのことなので足立区東和のアモール東和商店街のことだろう。手元の資料では「佃富(閉業、足立区東和2-8-15)」というお店を見つけることができたが、関係は不明だ。

揚げ物を中心とした多くのお惣菜が揃う蒲元

蒲元は昔ながらのオープンな間取りなので、お店の外からでも調理風景を見学できる。戦後の雰囲気をとどめる懐かしい風景だ。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元

揚げ物は朝からご夫婦で仕込んで午前9時半から店主が揚げ始め、午後はおかみさんが煮物などを調理するそうだ。訪れたときは正午付近だったので、揚げ物だけの販売だった。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜

フライ関係はトンカツやピーマンの肉詰、アスパラ巻など種類が豊富。日によってメンチカツや串カツ、ポテトフライもある。雑多に陳列してあるが、質問すると丁寧に教えてくれる。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜

小松菜コロッケは蒲元の看板商品。江戸川区の「小松菜グルメスタンプラリー」の冊子にも掲載されている。残念なことに、現在は新型コロナウイルスの影響でスタンプラリーは中止となっている。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜

天ぷらはかき揚げやレンコン、人参などかなりの種類がある。野菜だけでなく、目鯒(めごち)など魚の天ぷらも販売している。フライと天ぷら以外には、イカゲソ、鶏のカラ揚げもあり、目移りしてしまう。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜

これだけの種類を店主ご夫婦だけで仕込むのは大変そうだが、午後は肉じゃがや里芋煮、ほうれん草のおひたし、焼き魚など12、3種類が加わる。さらに、冬はサラダ(5月末まで)も販売しているというから驚きだ。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元

おでんは秋から6月末までの販売で、訪れた日はおやすみとなっていた。詳しい情報は前回の記事にあるので合わせてご覧いただきたい。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元

おかみさんは柔らかな物腰の方で、こちらの質問に丁寧にお答えいただいた。前回もお店の歴史をたくさんお話ししていただいた。資料だけではわからない、当時の街の息吹きを感じることができるのは非常に貴重な体験であり、いつまでもお元気でいてほしいと思った。

彩りがよく、ボリュームたっぷりの蒲元のお惣菜

今回、蒲元で購入したお惣菜は6種類。ボリュームたっぷり、元気が出そうなラインナップだ。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜

時計回りに12時から、肉巻(ほうれん草と人参)、アスパラ巻、肉巻(紫蘇と梅)、カラ揚、ちくわ天、小松菜コロッケ(中央)。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜 小松菜コロッケ

小松菜コロッケは江戸川区発祥の生の小松菜が練り込んであり、彩りがとてもよい。ジャガイモのごろごろとした食感が素晴らしく、ふんわりやさしい味わいとなっている。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜 肉巻(ほうれん草と人参)

肉巻(ほうれん草と人参)は豚肉、ほうれん草、人参が入っており、断面がとても美しい。ぎゅっと詰まったほうれん草と細かく刻んだ人参は、風味がしっかり残っている。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜 アスパラ巻、肉巻(紫蘇と梅)

同じ肉巻でも、こちらは鶏肉と紫蘇、梅が入っている。フライの満足感があるが、さっぱりとした味付けなのでしつこくならない。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜 アスパラ巻、肉巻(紫蘇と梅)

半分に切る前は、上の写真のように大ボリューム。さっぱりしているので何個でも食べられるが、1つ購入するだけでも空腹を満たせる。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜 アスパラ巻

アスパラ巻は長いアスパラガスが1本入った贅沢なもの。しゃっきり、みずみずしいアスパラガスに豚肉が丁寧に巻いてあり、噛んだときの食感がとってもジューシーだ。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜 アスパラ巻

こちらのアスパラ巻も1つがとても大きいので、4つくらいに切り分けてもいいだろう。もちろん、端から丸ごと食べるのも贅沢でいい。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜 ちくわ天

天ぷらはたくさんの種類があったが、おでんの練り物繋がりでちくわ天を選んだ。ちくわには肉巻と同じように紫蘇と梅が挟んである。ふんわりとしたちくわが天ぷらとなって、さらにふわふわ感が増している。紫蘇と梅の風味が加わって、味がぼやけず美味しくいただける。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元のお惣菜 カラ揚

最後はカラ揚だ。スタンダードな鶏の唐揚げだが、にんにくがほのかに効いていて美味しい。温めてもいいが、冷たいままでも十分その美味しさを堪能できる。

おかみさんに新型コロナの影響をうかがうと、以前よりお客さんが減ったそうだ。商店街も2年前に訪れたころより商店が減少し、少し寂しい印象を受ける。しかし、蒲元の店主ご夫婦は以前と変わらずたくさんのお惣菜を調理して、明るい笑顔で接客を続けている。

東京都江戸川区江戸川一丁目 江戸川共栄商店街:蒲元

地元でないとなかなか訪れにくいお店ではあるが、都内観光として散歩しながら訪ねてみるのもいいと思う。ご夫婦の笑顔とお惣菜の味で、コロナ禍で疲れた心を癒すことができるだろう。

蒲元の基本情報

〒132-0013 東京都江戸川区江戸川1-47-5
03-3679-2635
定休日:日曜
営業時間:8:00〜19:00, 11:00~19:30
蒲元のウェブサイト(江戸川区ウェブサイト)

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