東京おでんだね5周年

東京おでんだねは2023年10月に5周年を迎えた。これまで活動を支えていただいた方々に感謝いたします。

東京都足立区綾瀬 綾瀬五丁目商店街:増田屋蒲鉾店のおでん

2018年から東京おでんだねの活動をはじめて5年が経った。記事だけで274本を数え、すべてのページを含めると500ページ以上のサイトに成長した。

活動をはじめた当初はおでん種専門店の情報を扱うサイトは少なかったが、当サイトで東京すべての店舗の情報を網羅することができた。そのため、幾分かは情報を見つけやすくなったのではと自負しているが、各店に貢献できたかは甚だ疑問だ。活動する5年の間で閉業する店舗は増え続け、現在では45軒程度となっている。

直近の1年は物価高により原料費や燃料費が高騰し、おでん種専門店は厳しい経営を余儀なくされている。また、仲卸の廃業などで原料魚が手に入りにくくなり、東京の蒲鉾店の伝統である生魚を取り扱うことも難しくなっている。さらに新型コロナウイルスで飲食店が減少し、商品の卸先が少なくなったお店もあるという。

そもそも後継者不足で店主たちが高齢化し、あと数年で閉業を予定しているお店も多い。個性豊かなおでん種専門店が減ってしまうことは残念なことだが、元気に営業しているうちにすこしでも多く訪問し、その魅力を伝えられればと思っている。

埼玉県ふじみ野市緑ケ丘:中島かまぼこ店(おでん種)

最近は埼玉県や千葉県、神奈川県にあるおでん種専門店へ足を運ぶことが多くなった。東京と同じように、かつてはこの3県にも多くのおでん種専門店が存在したが、今は各県で数軒を残すのみとなっている。東京のお店とも関わりが深く、取り扱っているおでん種の種類には共通のものが多い。それでも、お店ごとに個性があり、巡ってみると面白い。都内よりも遠方にあるため取材しにくいが、機会をみて再び訪れたいと思っている。

筆者個人としては5年間で新たな経験がたくさん得られた。地元のお客さんを大切に思う店主やおかみさん、おでんを愛する多くの人々との交流はもとより、はじめて訪問する街や商店街など、東京の人々の息吹が感じられる素敵な体験ができた。また、TVや雑誌の取材、小説の参考サイトに選ばれたりと思いもよらぬところからお声がけをいただいたことも貴重な経験になっている。

おでんはさまざまな個性が集まりながらも、ひとつの料理として成立する懐の深い食べ物だ。また、鍋を囲みながら各人が好きな種を選ぶことができる多様性を持ち合わせている。今後も東京おでんだねの活動を通して東京のおでん種専門店の魅力を伝え、人々の和(輪)を結ぶお手伝いができたらと思っている。

5年目も引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。

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