今回は荒川区東尾久にあるおでん種専門店、九州屋蒲鉾店の天ぷらを紹介する。夏季のみの販売だが、種類が豊富で本格的な味わいとなっている。
九州屋は手づくりのおでん種と明るい女性たちの接客が魅力の名店だ。これまでも何度か紹介してきたが、今回は夏季限定の天ぷらに注目したいと思う。
おぐぎんざ商店街の名店、九州屋蒲鉾店
昭和34年（1959年）にできたおぐぎんざ商店街は多くの地元客で賑わう活気のある商店街だ。都電荒川線の熊野前駅や舎人ライナーの熊野前駅、赤土小学校前駅などからアクセスできる。
青果店や精肉店などが揃い、そのほとんどが個人商店となっている。昭和の雰囲気を色濃く残しており、散策するのも楽しい商店街だ。
九州屋蒲鉾店は中野区野方にあった九州屋から暖簾分けで昭和49年（1974年）に創業、店主は現在三代目となっている。手づくりの揚げ蒲鉾が豊富に揃い、おかみさんをはじめとした女性たちが明るく接客してくれる名店だ。
暑い時期はおでんの需要が減り、おでん種の種類も減ってしまうが、九州屋は20種類以上を揃えている。これは冬季でも非常に多くの種類を取り揃えているためだが、常連客の根強い支持があるからだろう。
九州屋については「九州屋蒲鉾店のおでん種」や「九州屋蒲鉾店のできたておでん」「九州屋蒲鉾店の板付蒲鉾と伊達巻」という記事を参照していただきたい。
九州屋蒲鉾店の天ぷら
さて、今回の目的である天ぷらは店頭の専用スペースで販売されている。声をかければすぐに対応してくれる。
種類は非常に多く、エビやアジなどの魚介類からかぼちゃやナスなどの野菜類まで非常に多くの種類を取り揃えている。
調理場で揚げたものがすぐに並べられるので、べたつかずサクサクとした天ぷらが手に入る。しかも手頃な値段設定となっており、全種類購入しても1000円前後となっている。
訪れたときはあじ天ときす天が一時的に売り切れていたため手に入れられなかったが、それ以外は店頭に並んでいたものをすべて購入してみた。なお、待てばすぐに揚げてくれるので、時間に余裕がある場合は商店街をぶらついてから戻るといい。
今回購入したのは8種類。時計回りに12時から、貝柱、かぼちゃ、ナス、海老天、ちくわ（磯辺揚げ）、人参、イカ天（中央左）、さつまいも（中央右）。
天ぷらは自宅に持ち帰ってもサクサクとした食感を楽しめる。温める場合はオーブントースターなどを使用するといいだろう。蕎麦やうどんも購入して種物にするのもいい。
海老天は身がふっくらとしており、大きさもあり満足度が高い。衣のバランスもよく王道の味わいだ。
貝柱は肉厚の貝柱がごろごろと入っており、食べ応えは十分。ご飯に乗せて甘辛のたれでいただいても美味しいだろう。
いか天は身がしっかり詰まっていながら歯切れも良く、ジューシーで味わい深い。15cm以上はありそうな圧倒的なボリューム感が嬉しい。
ちくわは海苔をまぶした磯辺揚げとなっている。たっぷりうまみを含んだちくわと心地よい海苔の香り、サクサクとした衣の食感のハーモニーを楽しめる。
ナスは油をほどよく吸い込んで、しんなりとした食感となっている。厚さも大きさもじゅうぶんあり、ナス特有の香りと味わいが存分に楽しめる。
人参は千切りになっており、柔らかく食べやすくなっている。口に含むとじんわりと甘みが広がっていく。鮮やかな色合いが美しい。
かぼちゃは薄めに切られており、ほくほくとした食感と豊かな甘みが素晴らしい。
さつまいももふんわりほくっとした食感と、ぎゅっと詰まった甘みが楽しめる。大人から子どもまで満足できるだろう。
おでん種専門店でありながら、本格的な天ぷらを提供する九州屋蒲鉾店。おでんのついでに購入してもいいし、天ぷら目当てに訪れてもいいだろう。まだまだ暑い日が続くが、九州屋蒲鉾店の天ぷらでスタミナをつけて酷暑を乗り切ってほしい。
九州屋蒲鉾店の基本情報
〒116-0012 東京都荒川区東尾久4-31-11
03-3800-0328
定休日：火
営業時間：9:00～19:20
九州屋蒲鉾店のWebページ（おぐぎんざ商店街のWebページ）
