おでんの昆布の結び方

今回はおでんの名脇役、結び昆布の調理法を紹介したいと思う。結ばれたものをそのまま使うのもいいが、自分で結んでみると好みの昆布を選んだり、大きさなどを調整できて便利だ。

おでんの結び昆布の結び方

結び昆布は味や香りがよいだけでなく、栄養価も高くて出汁にも貢献できるおでんに欠かせない存在だ。酒場のおでん屋さんで揃えていないお店はないほどの定番だが、意外に紀文などが開催する「好きなおでん種ランキング」では圏外だったりする。しかし、おでんに入っていないとどこか物足りない、主役ではないが舞台を引き立てる名脇役の存在なのである。

塩蔵昆布を使った結び昆布の調理方法

早速、結び昆布の調理方法を紹介していきたいと思う。まず昆布を用意するのだが、結び昆布には塩蔵(えんぞう)昆布がおすすめだ。

岩手県釜石市:リアス海藻店の塩蔵昆布

塩蔵とは、とれたての昆布やわかめを湯通ししてから冷やし、塩をまぶして脱水する保存方法のこと。三陸海岸で冬から春に水揚げされた昆布は、この方法で長期保存されている。三陸昆布の特徴である柔らかい食感がきちんと残されていて、風味もよくおでんや煮物に最適なのだ。なかには刺身として食べる人もいるそうだが、たしかに煮なくてもじゅうぶん柔らかくて美味しい。

しかし、塩蔵といえばわかめのほうが一般的で、昆布を取り扱っているお店は少ない。もし近くで取り扱っていないようなら、インターネットで通販するといい。検索すると簡単に見つけることができる。

岩手県釜石市:リアス海藻店の塩蔵昆布

東京おでんだねは拠点が池袋付近のため、西武池袋本店の地下2階にある生鮮倶楽部で購入している。中央エレベータ前の通路では、岩手県釜石市のリアス海藻店が出店していることがある。岩手産の三陸わかめを中心に豊富な種類の海藻食品を揃えているが、そのなかに塩蔵昆布もラインナップされている。

おでんの結び昆布の結び方:塩抜き

塩蔵昆布が調達できたら、塩抜きしていこう。使う分だけ取り出したら、ボールに移して真水にさらす。20分ほどでいいが、2・3回ほど水を取り換えるのを忘れずに。

おでんの結び昆布の結び方:適当な幅に切り分ける

しっかり塩抜きが完了したら、次は昆布を結ぶ。まずは、昆布を広げて大きさをチェック。横幅が広いようなら半分または3分の1に切って整える。上の写真は2つに切ってあるが、実はフレームに納まらなかったので3等分にしたものだ。中央部分は肉厚で固く感じるかもしれないが、すこし煮ればじゅうぶん柔らかくなるので安心して使ってもらいたい。

おでんの結び昆布の結び方:結び目を作る

切った昆布を5・6センチ間隔で結んでいく。多少不揃いでも構わない。結びやすいように、個々に切る前に結んでいくのがポイントだ。上の写真だと撮影しやすいように短めにしてあるので、結び目が2つしかない。意図せずバランスの悪い位置で結んでしまっても、焦らず結び目を緩めば調整できる。

おでんの結び昆布の結び方:結び完了

すべて結び終わったら、結び目の間をカットして完了。お手軽ながら、本格的な結び昆布の完成だ。三陸の塩蔵昆布は肉厚でほどよい食感がありながら、わかめのように柔らかい。さらに新鮮味があって味と香りが素晴らしい。この美味しさは食べた人にしかわからないので、だまされたと思ってぜひ挑戦していただきたい。

おでんの結び昆布の結び方:完成

結び昆布の投入タイミングは昆布が柔らかくなって結びが解けてしまうことがあるため、大根や玉子、こんにゃくよりも後にする。煮てから20〜30分程度のタイミングで投入するといい。

神茂(中央区 日本橋)おでん種:結び昆布

なお、わざわざ結ばなくても、すでに完成している結び昆布が各社から販売している。乾燥した状態で販売しているものが多いため、常備しておくといいだろう。東京おでんだねの筆者も、普段は大寅神茂の結び昆布を利用することが多い。

おでんの結び昆布の結び方

結び昆布は他のおでん種に比べると、すこし地味な存在だ。しかし、他の種にはない魅力があり、おでんに入っていると鍋全体が締まるような気がする。健康食品としても優秀であり、おでんに加えない手はない。とりわけ自分で結んで調理すれば魅力が倍増するので、ぜひ皆さんも挑戦してみてほしい。

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