今回はクリスマスにぴったり?のおでんの鮭の調理方法を紹介する。手軽に調理できて、美味しく味わえる。
「クリスマスにはシャケを食え」のネットミームが世間を賑わせ、農林水産省や大手量販店がその流行りにのるという現象が起きている。ここはおでんに鮭を用いて、いつもとは違うクリスマス料理を楽しんではいかがだろうか。おでんではメジャーな具材ではないものの、鍋料理においては馴染み深く、おでん汁との相性もいい。
クリスマスにはシャケを食え!
クリスマスに鮭と言われてもあまりぴんとこないのだが、ここ数年「クリスマスにはシャケを食え」というネットミームをSNSで見かけるようになった。
これは2018年に放映されたスーパー戦隊シリーズ「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」の登場キャラクターである「サモーン・シャケキスタンチン」の台詞である。このキャラクターは敵役の怪人で、クリスマスのチキンを鮭の切り身に変えて街を混乱させた。2019年以降のスーパー戦隊や仮面ライダーシリーズにもクリスマス回には鮭が登場し、ファンの間で話題となっていた。
その影響は現実世界にも飛び火し、農林水産省が前述の台詞をハッシュタグにしてサーモン料理をSNSに投稿したり、大手量販店のイオングループでは「メリクリサーモン」というキャンペーンを行った。今後もその影響の拡大は必至であると予想できる。
おでんにおいて鮭は一般的な食材ではないが、魚介類を多く用いる東北のおでんで利用が見られる。鮭は一年を通して安価に手に入る魚となったが、古くからお正月に食べられる高級食材として親しまれてきた。秋から冬にかけて旬を迎えるが、近年は不漁が続いている。
鮭の切り身のおでん
さて、ここからはおでんの鮭の調理方法を紹介しよう。まずは最も簡単な切り身を煮る方法だ。
石狩鍋のように鮭と鍋料理の相性は抜群だ。おでんも鍋料理なので合わないわけがない。ほくほくの食感と深いうまみに病みつきになることだろう。
生鮭が理想だが、甘口の塩鮭でもかまわない。生鮭の場合は塩を軽くふって20分ほど置いておき、キッチンペーパーで表面の水分を取り除く。甘口のものはそのままで問題ない。辛口のものしかない場合は水に1〜2時間ほど浸けて塩気を抜こう。
包丁で食べやすい大きさに切ればほとんど準備は完了だ。骨が気になる場合は取り除いておこう。
このままおでん汁で煮て、中まで火が通れば食べることができる。灰汁(アク)や脂が気になる場合は別鍋で煮てから一緒にしてもいいだろう。
鮭のねぎまのおでん
鮭とネギを串に刺してねぎまにしてもいい。基本的には切り身を煮るのと同様にお手軽に調理できる。
簡単なわりには老舗のおでん料理店で提供されるような上品な仕上がりになる。鮭はひと口大になり、長ネギの清涼感がプラスされて食べやすくなる。
塩をふって水気を拭き取った切り身をサイコロ大に切る。長ネギは皮を剥いてから、鮭のサイズに合わせて切る。鮭の骨は取り除いておこう。
鮭と長ネギを交互に串に刺していく。これをおでんの鍋に入れて、中まで火が通ったら調理完了だ。
鮭の焼きびたしのおでん
鮭をこんがりと焼いてから煮る、焼きびたしにしても美味しい。かりっとした表面の香ばしさがプラスされ、うまみも閉じ込めることができる。
大鍋の中で煮るというよりは、少量で煮て底が浅いお皿でいただくイメージだ。ししとうやレンコンなどの野菜を加えてもいい。
鮭は塩をふって水気をとった後、薄力粉を両面に軽くまぶす。ラップの上で行うと散らからず捨てやすい。
油を敷いて加熱したフライパンに鮭を乗せ、中火で表面に適度な焼き色をつけていく。片面が焼けたら裏返し、両面行う。
最後に他の具材とともにおでん汁で煮る。火は通っているので温めるだけでいい。鍋からお皿に移して盛り付けたら完成だ。
鮭の切り身のおでん
「おでんのロールキャベツの調理方法」の記事で取り上げた鮭のロールキャベツも紹介しておこう。
切り身を適当な大きさにしてキャベツに巻くだけなので簡単に調理できる。挽肉よりもあっさりとしているので食べやすくなっている。
切り身の皮と骨を取り除き、好みの大きさに切り揃える。大きさが不揃いの場合は、複数まとめて一緒に巻いてしまえばいい。おでん鍋で煮れば、あっという間にできあがりだ。
鮭を鍋で煮ると寒い季節がやってきたのだとしみじみ感じる。クリスマスはもちろんだが、いろいろと工夫して春まで長く楽しみたいものだ。きっとサモーン・シャケキスタンチンも喜んでくれるに違いない。