おでんの白滝の結び方・巻き方

今回は、おでんに使う白滝(しらたき)や糸こんにゃくの結び方と巻き方について研究したいと思う。ネットを検索してみると、意外にも納得のいく方法を紹介している記事が少ない。見た目や食べごたえ、難易度にあわせてさまざまな結び方と巻き方をまとめてみたので、おでん調理の際の参考にしてほしい。

おでんの白滝の結び方・巻き方

白滝の上手な結び方・巻き方の鍵は「長さ」

「白滝をうまく結べない」という方は、自分が不器用だからと思い込んでいないだろうか。しかし、いくら器用だったとしても条件によって難易度は変わるものだ。結びやすい条件を探ることによって、技術に頼らなくても簡単に白滝を結ぶことができる。その結びやすい条件とは、ずばり「長い白滝を利用する」ことだ。

白滝は水気があり、ぷよぷよしているので扱いにくい。このような素材で短いと、うまく結べないのは当然なのだ。紐を結ぶときを想像してほしい。紐は白滝よりも扱いやすい素材が多いが、短ければ当然結びにくいだろう。非常にシンプルな話だが、これはもっとも重要なことだ。

では、結びやすい長さは何センチくらいなのだろうか。
一概にはいえないが、やはり長ければ長いほどよい。なぜかというと、長ければいくらでも最適な長さに切ることができるからだ。たとえば、白滝の長さが30センチだった場合に35センチにはできないが、40センチなら35センチに調節可能だ。

おでんの白滝の結び方・巻き方:小結び白滝の長さ

それでも、標準的な長さはあるようだ。すでに結んである製品をほどいてみて、その長さを検証してみた。いくつか確認してみたが、大体35〜45センチ、平均40センチのようである。ちなみに1束は平均20本だった。上の写真は2つの異なるメーカーの小結び白滝を並べている。どちらも同じくらいの長さだということがわかる。

試しに一旦ほどいた白滝を自分で結びなおしてみたが、問題なく完成できた。おそらく機械で結んだのだと思うが、人の手でも問題なかった。白滝の長さが均一であることも結びやすさに繋がっているかもしれない。

結びなおすことによってかたちに変えることもできるので、自分好みにカスタマイズしてみるのもいいだろう。

できるだけ長い白滝を選ぼう

標準的な白滝の長さは40センチ前後ということがわかったが、やはりもう少し長いほうが安心感がある。そこでチョイスしたいのが「手巻き白滝」という白滝だ。

おでんの白滝の結び方・巻き方:手結び白滝

手巻き白滝は、男性の握りこぶしより少し大きいくらいに巻かれた白滝で、結草(いわいそ)とよばれる紐で縛ってある。各メーカーが出しているので、近所のスーパーでも手に入れることができるだろう。

おでんの白滝の結び方・巻き方:鶴田食品千葉の国産 手巻き白滝(左)、アイエー・フーズ手巻き白滝

なかでも東京おでんだねのおすすめは鶴田食品千葉の「国産 手巻き白滝」(写真左)だ。東京では御徒町の吉池など、比較的取り扱っている店舗は多い。ほかにも、群馬県の蒟蒻メーカーの大手、アイエー・フーズの「上州産 手巻きしらたき」(写真右)もおすすめ。

おでんの白滝の結び方・巻き方:手結び白滝の長さ

おすすめの理由はその全長。なんと150センチもあるのだ。標準的な白滝が40センチなので、どれだけ長いか想像がつくだろう。151センチの橋本環奈くらい、もしくは池乃めだかの身長ジャストだ。切らずに指やお箸でたぐり、長さを調節すれば失敗も少なく扱いやすい。ただし、白滝は消化が遅いので、ある程度の長さに切っておいたほうがお腹にはやさしい。60〜70センチくらいに切ってもじゅうぶん巻きやすいと思うので、適宜調整しよう。

なお、手巻き白滝でもメーカーによっては上記のふたつほど長くないものもある。実際に製品を購入して、好みの長さになっているか確認してみてほしい。

白滝の結び方・巻き方いろいろ

さて、ここからはいよいよ白滝の結び方を紹介していく。実物の白滝だとわかりにくいので、ロープで代用してみた。なお、アク抜きしていない製品もあるので、結んでから沸騰したお湯で2、3分茹でて、流水にさらしてほしい(アク抜きしてから結んでも可)。

もっともシンプルな「止め結び」

止め結び(とめむすび)はいちばん簡単な方法だ。ボリューム感を出さずに白滝を結びたい場合におすすめ。

おでんの白滝の結び方・巻き方:止め結び

おでんの白滝の結び方・巻き方:止め結びのステップ
止め結びのステップ(クリックして拡大する)
  1. 白滝を適度な長さに調整する
  2. 輪を作る
  3. 先端を輪にくぐらせて完成

簡単ながらボリュームが出せる「引き解け結び」

引き解け結び(スリップノット)は結び目のほかに輪ができるので、ボリューム感を出すことができる。しかも、とても簡単なので誰でもチャレンジできる結び方だ。すでに結んだ状態で販売している小結び白滝では、もっとも多い結び方だ。

おでんの白滝の結び方・巻き方:引き解け結び

おでんの白滝の結び方・巻き方:引き解け結びのステップ
引き解け結びのステップ(クリックして拡大する)
  1. 白滝を適度な長さに調整する
  2. 輪を作る
  3. 片方の端を輪に絡ませる(止め結びする)
  4. 形を整えて完成

干瓢を使った結び方

こちらは見た目の美しさと手軽さでもっともおすすめの結び方だ。干瓢は無漂白のものなら水に戻さずそのまま使う。水気がなく伸縮率もそれなりにあるので非常に結びやすい。漂白したものは水で3分ほど戻し、塩で揉んでから使用する(保存料である二酸化硫黄を落とす必要があるため)。干瓢を白滝に変える方法もあるが、下で紹介する棒結びとほぼ同じだ。

おでんの白滝の結び方・巻き方:干瓢を使った結び方

おでんの白滝の結び方・巻き方:干瓢を使った結び方のステップ
干瓢を使った結び方のステップ(クリックして拡大する)
  1. 片方のお箸に白滝をかけ、垂らす
  2. もう一方のお箸を介してぐるぐる巻く
  3. 干瓢は水で戻さずそのまま使う。一定の量が巻けたら干瓢を白滝の背後に回す
  4. 手前で本結び縦結びで結び、お箸をそっと引き抜いて完成

棒結び

ロープの収納に使われる棒結びとほぼ同じ結び方。結び目が多少ゆるかったとしても、煮たときに白滝が収縮するので乱暴にしなければ崩れることはない。お箸を使うが、指でもできる。ただし、指の場合は白滝から指を引き抜くときに形が崩れやすいので注意が必要だ。

おでんの白滝の結び方・巻き方:棒結び

おでんの白滝の結び方・巻き方:棒結びのステップ
棒結びのステップ(クリックして拡大する)
  1. 上のお箸に白滝をかけて垂らし、下のお箸を介してぐるぐる巻く
  2. 白滝の先端を1本だけ残しておく
  3. 先端の1本を90度かたむけた状態で巻く
  4. 先端を輪にくぐらせ、お箸をそっと引き抜いて完成

お手軽な「巻きつけ」

白滝は煮ることで収縮する。この特性を利用した巻き方がこちらだ。テレビなどで多く紹介されているので有名だが、正直見た目はあまりよろしいものではない。しかし、お手軽なので試してみるといいだろう。

おでんの白滝の結び方・巻き方:巻きつけ

おでんの白滝の結び方・巻き方:巻きつけのステップ

  1. お箸に白滝をぐるぐる巻きつける
  2. 沸騰したお湯にお箸ごと入れて、数分待つ
  3. お湯から出して、お箸を引き抜いて完成

こだわりの白滝を楽しもう

それぞれの結び方と巻き方をほどこした白滝を並べてみた。難易度や好み、用途に合わせて選ぶといいだろう。

おでんの白滝の結び方・巻き方:

大きさを調整したい場合は、手に取る白滝の本数を変えて対応できる。ただし、本数が多くなれば相対的に幅に対して長さが短くなるので結びにくくなる。止め結びや引き解け結びは適度な本数にしたほうがいいが、干瓢を使った結び方や棒結びなら本数に影響されにくいと思う。
このため最適な本数を定義することはできないが、写真の場合は鶴田食品千葉の手巻き白滝で、ひとつあたり切らずに3、4本を使用している。

おでんの白滝の結び方・巻き方

白滝は大根や玉子に並ぶほど人気のおでん種にもかかわらず、結び方や巻き方が難しく面倒なのであらかじめ結ばれた製品を購入している人が多いように思う。東京おでんだねの筆者はボリューム感のある白滝が大好きなので、なるべく自分で作るようにしている。結びや房(ふさ)でボリュームがでると、おでん汁をたっぷり吸い込んで格別の美味しさとなる。紹介したほかにもさまざまな結び方や巻き方があるので、皆さんもぜひ挑戦してお気に入りのものを見つけてもらいたい。

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