塚田水産のお惣菜と夏限定商品

東京のおでん種専門店の名店である武蔵野市吉祥寺の塚田水産は、季節限定の揚げ蒲鉾や名物の吉祥寺揚げに力を注いでいる。この瞬間にしか楽しめない、旬の素材を生かした品々を紹介したい。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のお惣菜と夏限定商品
塚田水産はTwitter(@Tukada_Oden)の情報発信に力を入れていて、魅力的な限定商品を次々と紹介している。この時期も魅力的なものが多かったので、取材に出かけてみることにした。

新型コロナの影響を受けながらも、賑わいをみせる吉祥寺の商店街

塚田水産がある吉祥寺は、新宿からJR中央線の快速で16分の場所にある。井の頭恩賜公園の豊かな自然と複数の大きな商店街が存在し、魅力的なお店がひしめいている。

東京都武蔵野市吉祥寺南町:JR吉祥寺駅

新型コロナウイルスの影響により、イタリアンの「OLD CROW」やフランス料理の「芙葉亭」など長年営業していたお店の数々が閉業しているが、現地に降り立つと街の賑わいに圧倒される。

東京都武蔵野市吉祥寺本町:吉祥寺サンロード商店街

複数ある商店街は新型コロナの影響を感じさせないほどの人通りだ。近隣は住宅街も多く、遠出を自粛をしている人々が集まっているのだろう。ウイルス蔓延という未曾有の危機に対して、古くからある商店街という業態が見直される機会が得られたのは嬉しいが、複雑な心境でもある。

東京都武蔵野市吉祥寺本町:ハモニカ横丁

魅力的な酒場が集まるハモニカ横丁は昼間に訪れたので、ほとんどシャッターが閉じられていた。店頭の告知を見ると緊急事態宣言によって休業していたり、営業時間を短縮するお店も多く見られた。いつもの活気ある風景が1日も早く戻ることを願うばかりだ。

常に明るくチャレンジを続ける塚田水産

以前訪れた際の記事「塚田水産のおでん種」でも紹介したとおり、塚田水産は吉祥寺ダイヤ街のEast zoneで営業を続けている。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産

昭和20年(1945年)創業で、吉祥寺だけでなく周辺地域からお客さんが訪れる人気のおでん種専門店だ。日本かまぼこ協会(全国蒲鉾水産加工業協同組合連合会)が年1回開催する全国蒲鉾品評会で、はんぺんとさつま揚で2回農林水産大臣賞を受賞している。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産

揚げ蒲鉾を中心としたおでん種や浜名湖直送の鰻の蒲焼が有名だが、最近ではテレビ東京系の「出没! アド街ック天国」で紹介された「吉祥寺揚げ」が人気を博している。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産

通年商品であるイカやエビ、ホタテやチーズのほかに、この夏は玉子カリーがお目見えした。ご覧のように、カレー風味のすり身に玉子が1個まるごと入っている。「カレー」でなく「カリー」なのは、考案者のこだわりなのだとか。過去にはアスパラガスやアジなどの商品が発売され、好評を得ている。とりわけ、冬季限定の牡蠣はアド街で紹介されて大人気となった。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産

おつまみ系の揚げ蒲鉾も充実しており、取材時は6種類の商品が並んでいた。ここにも期間限定商品がある。タラの芽やワラビ、こごみなどが登場したが、現在はしらす枝豆、みょうがとしそ、新しょうがと桜えびを販売している。お客さんの意見も積極的に採用して商品化し、創意工夫を重ねている。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産

夏にもかかわらず、おでん用の揚げ蒲鉾の商品も充実している。おでんにしてももちろん美味しいが、おつまみや惣菜としてそのまま食べてもいい。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産

こちらにも期間限定の商品が並べられていた。数量限定のとうもろこし揚げや、岩下の新生姜を使った新生姜といか揚げ、みつばと海老など、旬の素材や夏にぴったりの爽やかな風味の品を揃えている。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産

岩下の新生姜を使った商品は今年から登場し、大変人気があるそうだ。岩下食品のニュースリリースでも発表されている。ショーケースには岩下の新生姜のキャラクターであるアルパカと、コラボキャラのコウペンちゃん(礼儀正しくおじきをしている)がお客さんを出迎えていた。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産

お店の前のPOP看板はお店のパートさんやアルバイトの大学生が書いているという。これを楽しみに毎日撮影するファンもいるそうだ。新型コロナが蔓延するなか、塚田水産の前向きな営業姿勢にこちらも明るく朗らかな気分になってくる。子ども限定の揚げ蒲鉾の掴み取りやじゃが吉(じゃがいもを揚げたもの)の格安販売、シングルマザーやシングルファザーに向けた鰻のプレゼントなど、地域を応援するイベントも行っている。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産の鰻弁当(竹)

百貨店の催事にも精力的に出店している。上の写真は西武池袋本店のイートインで販売している鰻弁当(竹)だ。東京おでんだねの活動拠点である池袋での出店なので、駆けつけて購入してみた。ふっくらとした鰻の美味しさもさることながら、よどみが一切ないつるんとしただし巻き卵の食感も感動ものだ。

残念ながら、西武池袋本店の催事は本日(2021年8月24日)までだが、定期的に都内各地に出店しているためTwitterをチェックしておこう。

さまざまな味が楽しめる塚田水産の吉祥寺揚げ

塚田水産では吉祥寺揚げとおつまみ用揚げ蒲鉾、期間限定の揚げ蒲鉾を購入した。まずは、吉祥寺揚げから紹介していこう。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産の吉祥寺揚げ

吉祥寺揚げはすべての種類が詰まった「吉祥寺揚げ食べ比べ5種セット」を購入した。このセットには特別サービス券がついており、好きな吉祥寺揚げを無料で交換できる。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産の吉祥寺揚げ

上の写真の左はホタテ、チーズ、イカ、エビ。右は限定発売の玉子カリーだ。しなやかで粘りのある食感の魚のすり身と、サクサクに揚がった衣の対比が素晴らしい。
ホタテはぎゅっと詰まったホタテのうまみがクセになる。チーズはベーコンやほうれん草も入っており、まろやかで濃厚な味が楽しめる。イカは柔らかく、うまみがじゅうぶんに閉じ込められている。エビはぷりっとした食感のエビがこれでもかというくらいに詰まっている。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産の吉祥寺揚げ 玉子カリー

玉子カリーはスパイシーなカレーの風味が食欲をそそり、まろやかな玉子との相性は抜群。暑い夏にぴったりの逸品だ。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産の吉祥寺揚げを使用したカツ丼

吉祥寺揚げを購入する際に、お店の方から後日カツ丼にして美味しくいただく方法を伝授していただいた。まず、余った吉祥寺揚げを冷凍しておき、調理する前に解凍する。だし汁(めんつゆ、もしくは醤油、みりん、料理酒、白だし、砂糖、水)をひと煮立ちさせたら薄切りの玉ねぎを入れ、しんなりしたら1〜2センチほどに切った吉祥寺揚げを投入する。溶き卵を3分の2ほど回しかけ、かたまりかけたら火を止める。残りの卵を入れたら蓋をして30秒ほど蒸らして完成だ。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産の吉祥寺揚げを使用したカツ丼

みつばやさやえんどう、グリーンピースなどをのせていただこう。カツ丼とは異なるさまざまな具材の美味しさと、冷凍したとは思えないふわふわ感を楽しめる。教えてくれた店員さんは「わざわざこのために余分に手に入れる」とおっしゃっていた。

揚げ蒲鉾は期間限定の商品に注目

おつまみ用を含めた揚げ蒲鉾は11種類。前回は通期のおでん種を紹介したので、期間限定のものを中心にチョイスした。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のおつまみバラエティーパックと2021年8月限定揚げ蒲鉾

時計回りに12時から、みつば海老、新生姜といか揚、おつまみごぼう、ゴーヤとコーン、しらす枝豆、みょうがとしそ、ニンニク・エリンギ・パセリ、新しょうがと桜えび、おつまみ玉ねぎ、とうもろこし揚げ、カレー団子(中央)。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のおつまみバラエティーパック

おつまみ用の揚げ蒲鉾は、1日10パック限定「おつまみバラエティーパック」を購入した。すべての種類を少しずつ味わえるので、お気に入りのものを選ぶことができる。さらに、ゴーヤとコーンというこのパックのみの限定品も入っている。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のとうもろこし揚げ

とうもろこし揚げはぎっしりと詰まったスイートコーンに圧倒される。口に含むと甘い香りと味が広がり、幸福感が半端ない。一般的な小麦粉や片栗粉ではなく、魚のすり身を使用している。焼きとうもろこし風に醤油を少したらして食べるのもありだ。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のみつば海老

みつば海老は6月限定販売だったが、好評により販売を継続している。吉祥寺揚げのエビと同じように、大きめのエビがごろごろ入っている。みつばの清々しさに加え、隠し味の桜えびの芳ばしさが漂う。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産の新生姜といか揚

新生姜といか揚は、岩下の新生姜と大葉、イカが入った人気商品。ごろっと大きめの生姜が入っていて、独特の爽やかさが癖になる美味しさだ。イカも味わい深く、かなり完成度が高い。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産の新しょうがと桜えび

新しょうがと桜えびも岩下の新生姜を使った期間限定商品。おつまみ用なので揚げ蒲鉾自体はひとくちサイズだが、生姜はしっかり大きめのものが入っている。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のしらす枝豆

しらす枝豆はぷりぷりとした枝豆の美味しさが際立っている。しらすは後味にほんのりと風味を残し、味に深みを与えている。こちらも期間限定商品だ。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のおつまみ玉ねぎ

おつまみ玉ねぎは、香りが強くて甘い玉ねぎが魚のすり身とよく合う。期間限定品も見逃せないが、定番ものの味も捨てがたい。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のおつまみごぼう

おつまみごぼうは大きめに切られたゴボウが入っている。歯触り、香りはゴボウそのもので、滋味深い味わい。七味唐辛子をかけても美味しい。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のニンニク・エリンギ・パセリ

ニンニク・エリンギ・パセリは、とにかくニンニクの存在感が際立っている。非常に癖がある美味しさで、ニンニク好きの筆者としては大満足だ。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のみょうがとしそ

みょうがとしそは魚のすり身の美味しさが前面に立っているが、ミョウガと紫蘇の爽やかさがさりげなく鼻を抜けていく。ミョウガのサクサクとした歯応えも心地よい。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のゴーヤとコーン

隠し玉のゴーヤとコーンは、ゴーヤの苦味とコーンの甘みという相反する味が不思議と融合する美味しさ。この新体験の味を楽しみたいなら、1日10パック限定「おつまみバラエティーパック」を購入するしかない。

東京都武蔵野市吉祥寺本町 吉祥寺ダイヤ街:塚田水産のお惣菜と夏限定商品

旬の素材を惜しみなく使い、さまざまな食体験の創造にチャレンジを続ける塚田水産。新型コロナでダウナーな気分が漂う毎日だが、塚田水産の前向きな姿勢に勇気づけられたような心持ちになった。これからも地元を中心とした多くの人々に、素敵な味と笑顔を届けてほしい。

塚田水産の基本情報

塚田水産
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-8
0422-22-4829
定休日:1月1日~1月3日
営業時間:9:30~19:00
塚田水産のWebサイト
塚田水産のTwitterInstagramLINEFacebook

塚田水産(伊勢丹新宿店)
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-14-1
定休日:1月1日
営業時間:10:00~20:00
伊勢丹新宿店のWebサイト

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