鈴廣かまぼこは2022年6月1日から8月31日まで「スライムかまぼこ(メタルスライムバージョン)セット」を期間限定販売している。
「スライムかまぼこ」は「ドラゴンクエスト」の人気キャラクター、スライムを模した板付蒲鉾だ。今回、愛らしい姿に惹かれて購入したので、簡単に紹介しようと思う。
熟練職人たちの伝統の技と情熱によって生まれた「スライムかまぼこ」
「スライムかまぼこ(メタルスライムバージョン)セット」は、2020年に位置情報RPG「ドラゴンクエストウォーク」リアルおみやげプロジェクトとして発売された「スライムかまぼこ」の第二弾となる商品だ。
全国各地のランドマークに訪れたときに受けられるクエストをクリアすると「おみやげ」とよばれるアイテムを入手できるのだが、小田原城の報酬アイテムが「小田原のかまぼこ」だった。これを実際の商品にできないかと鈴廣かまぼこから運営元のスクウェア・エニックスに話を持ちかけたところからコラボレーションがはじまったという。
実際の商品を手に取ると、ゲーム内に登場したスライムの姿が忠実に再現されていることがわかる。シンプルなデザインではあるが、それゆえに目や口の配置や左右対称の形状を再現するのは至難の業だったそうだ。また、日々変化するすり身の状態を見極め、温度管理や口金(金型)を調整していった。
鈴廣かまぼこは機械設備だけでなく水産練り製品製造技能士という国家資格をもつ職人が何人も在籍しているため、高い生産技術を有している。熟練職人たちの伝統の技と情熱によって、この可愛らしい蒲鉾が生まれたのだ。こちらの開発秘話は鈴廣かまぼこのコラムで詳しくご覧いただきたい。
着色は非常に鮮やかだが、スライムはクチナシ、メタルスライムは黒ごま、以前発売されたスライムベスはパプリカといった天然素材を使用している。保存料や化学調味料、添加物は使用しておらず、魚のタンパク質も豊富に含んでいる。
鈴木結美子氏による伝統技術と遊び心が融合したパッケージ
蒲鉾だけでも魅力的だが、パッケージも素晴らしい。鈴廣かまぼこのパッケージは型染めでつくられており、スライムかまぼこにも伝統の技術によって見事なデザインが施されている。
小田原を象徴する小田原城や梅、ゲームに登場するロトのつるぎや盾、キングスライムが登場しており、メタルスライムにちなんでシルバーの箔押しが施されるなど、伝統技術と遊び心が融合している。
パッケージを担当したのは鈴木結美子氏だ。鈴廣の次女として生まれ、長年鈴廣で型染めデザインを手掛ける作家の森川章二氏に師事し、古典的な日本の染色技法である型染めを習得された型染め作家だ。
鈴廣のオンラインショップほか鈴廣かまぼこの里で発売
「スライムかまぼこ」はそのまま味わうのはもちろん、おでんやうどんに加えても美味しくいただける。お弁当に入れるなど、楽しみ方は工夫次第で無限大に広がる。
「スライムかまぼこ(メタルスライムバージョン)セット」は鈴廣オンラインショップのほか、鈴廣かまぼこの里や小田原駅前店、ラスカ小田原店などで期間限定販売している(2022年8月31日まで)。
鈴廣かまぼこの里にあるCAFE107では期間中にコラボカフェメニューを提供し、スライムの容器に入ったゼリーやプリン、ビールなどが楽しめる。また、一部の店舗では「ドラゴンクエストウォーク」の世界を再現した装飾を施しているので、興味のある方は「小田原かまぼこと小田原おでん」(第1回、第2回)の記事を参考にしながら、ほかの蒲鉾店も含めて足を運んでみていただきたい。
蒲鉾などの練り製品は、伝統の技術を守りつつ新たな挑戦を重ねて進化し続けてきた。味もよく栄養も豊富で、職人たちの情熱にも心が動かされるものがある。ゲーム業界との異色のコラボレーションによって、より広い世代の人々にその魅力が伝わればと思っている。
鈴廣かまぼこの基本情報
鈴廣かまぼこ(鈴廣蒲鉾本店)
〒250-0032 神奈川県小田原市風祭245
0120-07-4547
定休日:無休
営業時間:9:00~18:00
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