増田屋蒲鉾店(京成小岩)のおでん種

増田屋蒲鉾店(京成小岩)は東京都葛飾区鎌倉の千代田通商店街にあるおでん種の専門店だ。同名の店舗はいくつかあるが、葛飾区立石の増田屋から暖簾分けで独立している。こちらの店主が立石の増田屋で修行したあと、昭和33年に創業した。

葛飾区モデル商店街第一号の千代田通商店街(千代田通商店会)

京成本線の京成小岩駅の北口前にある京成小岩商栄会を抜けると千代田通商店街(千代田通商店会)が現れる。古くから営業を続ける店舗が集まる下町情緒あふれる商店街だ。昭和32年(1957年)4月に設立されて以来、地元客を中心に親しまれている。

東京都葛飾区鎌倉:千代田通商店街

店舗の看板や舗装された道路など清潔感にあふれているが、道幅が狭くどこか懐かしさを感じさせる。この商店街は葛飾区のモデル商店街第一号に認定されたそうだ。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:鮮魚 戸田屋

商店街の中央付近にある鮮魚 戸田屋には豊富な種類の鮮魚のほかに、揚げ物などの惣菜も取り揃えている。見ているだけでも楽しいが、ついつい買い物したくなる衝動に駆られる。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:鮮魚 戸田屋

春には珍しくカワハギが売られていた。カワハギの旬は夏が身、冬は肝が美味しいのだが、こちらのカワハギも色艶がよく美味しそうだ。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:杉戸煎餅京成小岩店

また、筆者が煎餅のなかで一番美味しいと思っている杉戸煎餅もあった。青砥駅にある本店はよく訪れるのだが、こちらの京成小岩店は初めてだった。竜田揚げのようなジューシーな味わいが素晴らしく、種類もたくさんある。増田屋蒲鉾店(京成小岩)に訪れる機会があれば、ぜひこちらの煎餅も購入することをおすすめする。

都内随一のおでん種の種類を誇る増田屋蒲鉾店(京成小岩)

増田屋蒲鉾店(京成小岩)は千代田通商店街の奥にある。店主が独立してから約60年、現在の地に移ってからは35年以上の歴史を持つ。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店

増田屋かまぼこ店(綾瀬)の記事でも紹介したが、増田屋は立石(東京都葛飾区東立石4-50-3)にある増田屋が本家で、そこから暖簾分けしたお店が30軒以上あったとのこと。増田屋蒲鉾店(京成小岩)の店主も立石で修行をしてから暖簾分けで営業を始めた。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店

店に入ると30種類以上の練り物のおでん種が並んでいた。種類の多さは圧倒的で、都内のおでん種やさんの中でも群を抜いている。さらにそれぞれの種がたくさん作られ整然と並んでいて、物量に感動する。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店

カレーボールやうずら巻、ぎょうざ巻など定番のほかにオリジナルの変わり種もたくさん揃っている。こんなに美しいおでん種のショーケースは初めて見た。初心者なら選ぶのに時間がかかりそうだ。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店

すべてのおでん種が魅力的なのだが、注目ははんぺん肉づめだ。はんぺんの間に挽肉を挟んで揚げたものだが、食べなくてもその美味しさが伝わってくる。また、ひじき、ごぼう、玉ねぎ、しいたけの4種類が選べるおつまみ揚も美味しそうだ。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店

練り物以外のおでん種も豊富に揃っている。大根は丸佐かまぼこ店(荏原中延)のようにおでん汁と一緒に下茹でしてある。つみれは2種類あり、いわしつみれと白身魚で作った白つみれがある。白滝と蒟蒻は群馬のマック食品、ちくわぶは茨城のタカトー、はんぺんは銚子の嘉平屋菊水、おでん汁はS&Bだ。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店

店頭では調理済みのできたておでんを販売している。熱々のおでんに湯気が漂っていて美味しそうだ。おでん汁は鰹で出汁をとり、毎日継ぎ足しているという。こちらについては「増田屋蒲鉾店(京成小岩)のできたておでん」という記事で紹介しているので、あわせてご覧いただきたい。

増田屋蒲鉾店(京成小岩)はテレビ東京「昼めし旅」やBS-TBS「吉田類の酒場放浪記」(2019年4月1日午後9時予定)などテレビでもよく取り上げられている。美味しそうなおでん種が豊富に揃っているので納得だが、もっとも魅力的なのが店主とお孫さんだ。訪れた日はお孫さんが接客してくれて、奥で店主が調理をしていた。お孫さんはまだ学生だと思うがとてもしっかりしていて、そのうえ愛想よく接していただいた。込み入った質問には店主がわざわざ調理を止めてお話ししてくださった。増田屋かまぼこ店(綾瀬)の話になると、「あそこの店主は僕の弟弟子だよ」と嬉しそうに語っていた。

肉づめがおすすめ!増田屋蒲鉾店(京成小岩)のおでん種

増田屋蒲鉾店(京成小岩)では14種類を購入した。変わり種が中心だ。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店のおでん種

時計回りに12時から、おつまみ揚(ひじき)、いか七味、チーズ巻、えび団子、肉ばくだん、カレーボール、いわしつみれ、しいたけ肉づめ、白つみれ、すじ、よせあげ、やさいあげ、はんぺん肉づめ(中央上)、ふくろづめ(中央下)。ちくわぶは千代田通商店街の吾妻屋豆腐店で生のものを購入した(油揚げも購入)。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店のおでん種

今回も具沢山で鍋からあふれるようだ。いつものように大根と玉子、ちくわぶはあらかじめ下茹でしておき、練り物は最後に温める程度にする。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店のおでん種

増田屋蒲鉾店(京成小岩)の練り物は、割としっかりとした弾力がある。味付けは控えめで上品だ。すじは軟骨が練り込まれていてコリコリとした感触が魅力的。自家製なのか仕入れてきたものなのかは未確認だが、魚のうまみがしっかりとして美味しかった。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店 はんぺん肉づめ

最注目のはんぺん肉づめはひとつでもすごいボリュームだ。揚げられたはんぺんの表面が食欲をそそる。はんぺんの間に挟まれている挽肉は椎茸が入っていて香りがよく、はんぺんの柔らかな舌触りとあいまって、意外と上品な味だ。おすすめその1である。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店 チーズ巻

店主がおすすめしてくれたチーズ巻は、中に入っているチーズの太さが半端ない。通常の2倍以上はあろうかというサイズだ。とろけたチーズが溢れ出し、まろやかな優しい味が口中に広がる。おすすめその2である。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店 よせあげ

よせあげは紅生姜とねぎが入っている。紅生姜の爽やかな香りがなんともいえない。サクサクとした食感もいい。ねぎもきちんと存在感があり、上品な芳香だ。全般的に増田屋蒲鉾店(京成小岩)のおでん種は具材の味がしっかり感じられる。具材の種類をせいぜい2つほどに限定しており方向性にブレがない。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店 しいたけ肉づめ

しいたけ肉づめも素晴らしい。通常のしいたけ天は傘のひだ側に練り物が埋め込まれているが、増田屋蒲鉾店(京成小岩)では挽肉を埋め込んでいる。玉ねぎの入ったジューシーな挽肉と、ぷりぷりとして香りのよい椎茸のうまみが合わさってとても美味しい。おすすめその3である。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店 おつまみ揚(ひじき)

おつまみ揚(ひじき)はひじきがたくさん入っている。その量はすさまじく、「ひじきで練り物を包み込んでいるようだ」と表現すれば伝わるだろうか。ひじきには味がないと言う方もいるが、これを食べればふくよかな風味を味わえると思う。おつまみ揚の他の種類であるごぼう、玉ねぎ、しいたけも試してみたいところ。おすすめその4である。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店 やさいあげ

やさいあげは刻んだ人参とねぎが入っている。緑とオレンジの色が美しい。サクサクとした人参の食感と、ほのかな甘みがなんともいえず美味しい。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店 いか七味

いか七味は紅く染まった練り物の色がいかにも辛そうだが、はっきり言ってとても辛い。練り込まれたイカは七味との相性がばっちりで、辛党におすすめの一品。おすすめその5である。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店のおでん種

2種類あるつみれはぜひ食べ比べてみたいおでん種だ。いわしつみれはその名のとおり、イワシ独特のうまみがぎゅっと詰め込まれている。お吸い物に使うととてもよい味が出るだろう。白身魚を使った白つみれは優しい味わいで、ふわふわとした蒲鉾のような味がする。

カレーボールは定番の色合いと大きさで、カレー粉の味がしっかりと付いている。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店 ふくろづめ

ふくろづめにはたくさんの白滝と豚肉の細切れが入っている。中からたくさんの汁が溢れ出てくるが、味はとても上品だ。袋詰めはおでん種やさんによってレシピがそれぞれ異なるので興味が尽きない。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店 肉ばくだん

肉ばくだんも挽肉をふんだんに使ったおでん種だ。増田屋蒲鉾店(京成小岩)は挽肉の使い方が本当にうまい。とってもジューシーで、練り物によく合う。

東京都葛飾区鎌倉 千代田通商店街:増田屋蒲鉾店のおでん種 えび団子

最後はえび団子。むきエビが大葉と一緒に入っている。ぷりぷりとしたエビの食感と、大葉の清々しい香りが素晴らしい。これもぜひおすすめしたい逸品だ。

豊富な種類を取り揃え、挽肉などを使った個性的なおでん種を販売する増田屋蒲鉾店(京成小岩)は素晴らしいおでん種やさんだ。ニコニコと優しい笑顔の店主と、店番を務めるしっかり者のお孫さん、そして仲の良いふたりの関係も大きな魅力のひとつである。以前は商店街に80軒ほどあった店舗も半分以下となり、買い物に来る人も減っているというが、これからもぜひ営業を続けていただいて、東京下町の家族団らんを支えてほしい。

増田屋蒲鉾店(京成小岩)の基本情報

増田屋蒲鉾店(京成小岩)
〒125-0053 東京都葛飾区鎌倉4-36-2
03-3658-9653
定休日:日曜、年末年始
営業時間:10:00~18:30
増田屋蒲鉾店(京成小岩)のWebサイト(かつしか商店街サイト)

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