おでんのご当地だれを楽しむ

おでんは日本全国さまざまなバリエーションがある。おでん種や出汁の種類はもちろん、つけだれも個性あふれるものが揃っている。今回は、日本各地のおでんのつけだれを紹介していこうと思う。

おでんのつけだれバリエーション

食べ物を通して観光振興や町おこしを行うフードツーリズムにおでんが利用されるようになって久しい。昔から食べられてきたものもあれば、フードツーリズムにむけて新たに開発されたものもある。各地のおでんを再現しようとするとそれなりに労力がかかるが、つけだれに関していえば比較的簡単に用意することができる。今回の記事では、10種類ほどのご当地だれを紹介していきたいと思う。

北海道・東北(青森):生姜味噌(赤味噌ベース)

北海道や東北地方のおでんのつけだれで有名なのが生姜味噌だ。赤味噌に生姜が入っている。

おでんのつけだれバリエーション:生姜味噌(赤味噌)

とりわけ有名なのが青森おでんの生姜味噌だ。青森おでんの会によると、戦後の寒さ厳しい冬に青函連絡船を待つ人々の身体を温めようと考えた屋台のおかみさんによって考案されたものだという。

おでんのつけだれバリエーション:生姜味噌(赤味噌と生姜)

酒を煮切ってアルコールを飛ばし、赤味噌(津軽味噌)とみりん、出汁を加えて沸騰させる。あら熱を取ったら皮付きのまま摺り下ろした生姜を加えて完成だ。

東京:和がらしと洋がらし

東京は和がらしと洋がらしだ。全国的にも有名なので、あまり説明の必要はないだろう。

おでんのつけだれバリエーション:からし

おすすめは粉がらしを使用することだ。「おでんのからしの美味しい食べ方」の記事で詳しく解説しているので参考にしてもらいたい。

小田原:梅味噌

梅味噌は神奈川県の小田原おでんのつけだれとして開発されたものだ。白味噌に小田原の特産品である梅(梅肉)を加えている。

おでんのつけだれバリエーション:梅味噌

平成15年(2003年)生まれという比較的歴史の浅い小田原おでんだが、町おこしの一環として生み出されただけあってよく研究されている。梅の酸味と白味噌のまろやかさが同居する梅味噌のつけだれは、単調な味になりがちなおでんのよいアクセントとなっている。

おでんのつけだれバリエーション:梅味噌(白味噌と梅肉)

酒を煮切ってアルコールを飛ばし、あら熱を取ったら白味噌、砂糖、梅肉を加え、混ぜ合わせれば完成だ。

静岡:だし粉

ご当地おでんとしてもっとも有名な静岡おでん。だし粉と呼ばれるいわし削り粉と青海苔を振りかける。

おでんのつけだれバリエーション:ダシ粉

だし粉は主にネットや地方物産店で入手できる。青海苔も一緒に入っているので便利だ。香りがよいだけでなく、おでん種やおでん汁の旨味が増し、おでんをより一層美味しくいただける。

飯田:ねぎだれ

長野県の飯田おでんの特徴となるねぎだれは、刻んだねぎを加えた醤油ベースのつけだれだ。

おでんのつけだれバリエーション:ねぎだれ

長ねぎもしくは青ねぎを刻み、出汁、みりん、醤油に加えて完成。冷蔵庫に1時間ほど漬け込んでおくと味がなじんで美味しくなる。

姫路:生姜醤油

姫路おでんのつけだれは醤油に生姜を加えた生姜醤油だ。姫路おでん普及委員会のサイトによると、もともとは姫路を中心に加古川から相生辺りの限られた地域の食べ方だったそうだ。

おでんのつけだれバリエーション:生姜醤油

諸説はあるが、昭和初めに甘辛い関東煮に生姜醤油をかけて味を調整して食べたのが始まりといわれている。平成18年(2006年)に町おこしのために「姫路おでん」と命名したそうだ。
すり下ろした生姜を醤油に加えてかき混ぜれば完成だ。

金沢:生姜味噌(白味噌ベース)

金沢おでんというよりも、金沢のおでんの老舗「高砂」のつけだれ。白味噌ベースの生姜味噌だ。

おでんのつけだれバリエーション:生姜味噌(白味噌)

金沢おでんはお店によっておでん種もつけだれもさまざまで、必ずしも生姜味噌を使うというわけではない。金沢以外のご当地おでんも町おこしによって整理、定義されたものが多いので、あまりテレビなどの情報に惑わされないようにしたいものだ(この記事も例外ではない)。

おでんのつけだれバリエーション:生姜味噌(白味噌と生姜)

みりんを沸騰させ、あら熱を取ったら白味噌、白だし、すり下ろした生姜を加え、混ぜ合わせれば完成だ。

愛媛:みがらし

みがらしは愛媛の南予地方に伝わる独特のつけだれだ。麦味噌にからしを加えて作る。

おでんのつけだれバリエーション:みがらし

からしの辛みと麦味噌独特の味わいが絶妙にマッチしている。作り方は、粉がらしに水を少々加えて練り、1時間ほど寝かせる。粉がらしをすり鉢に移して麦味噌を加えて混ぜ、酢と酒、砂糖を加えてさらに練り合わせれば完成。

おでんのつけだれバリエーション:麦味噌

麦味噌は東京おでんだねの行きつけである亀戸の佐野みそで購入した。麦の芳醇な香りが素晴らしく、やさしい甘みがある。南予地方の老舗であるマルヤス味噌で購入してもいいだろう。

九州:柚子胡椒

コンビニおでんによって全国区になりつつあるのが柚子胡椒だ。おでんと柚子胡椒の組み合わせは九州発祥といわれているが、柚子胡椒自体が九州生まれだ。

おでんのつけだれバリエーション:柚子胡椒

ぴりっとした辛みと爽やかな柚子の香りがおでんのアクセントとなり、たくさん食べても飽きがこない。

沖縄:マスタード

「てびち」と呼ばれる豚足など、肉がおでんの主役になる沖縄おでんにはマスタードがよく合う。

おでんのつけだれバリエーション:マスタード

魚のすり身が主体の東京のおでんには合わないかと思いきや、意外とマッチしている。からしと風味が似ているのもあるからだろう。

おでんのつけだれバリエーション:ハインツイエローマスタード

おでんの隣にアメリカンなパッケージが並ぶ姿は滑稽だが、既成概念にとらわれずにぜひチャレンジしてみてほしい。鶏肉を入れたおでんなどによく合うはずだ。

おでんのつけだれバリエーション

今回紹介した以外にも、富山おでんのとろろ昆布などご当地のつけだれにはさまざまな種類がある。東京のおでんに合わせても美味しいので、ぜひ試してみてほしい。最近は新型コロナの影響もあって自由に外出できないが、ご当地だれで自宅にいながら全国各地を旅してみるのもいいだろう。

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