おでんの鰯つみれの調理方法

栄養豊富で魚の旨みがたっぷり味わえる鰯つみれは、おでん種でも一定の人気を誇っている。今回は、鰯つみれの調理方法を紹介しよう。

おでんの鰯つみれの調理方法

鰯つみれはおでん種専門店でも手作りのものが多く提供されているが、自身の手で作って職人の技術と比較してみると面白い。多少の手間はかかるが、材料の価格もそれほど高くなく時間もかからない。

つみれは生地を「摘み入れた」もので、イワシだけが原料ではない

つみれはイワシを原料にしたものだと思っている人が多いが、生地を指やスプーンなどで「摘み入れた」ものを指し、鶏肉であろうが、イワシ以外の魚肉であろうが、すべて「つみれ」と呼ぶ。

神茂(中央区日本橋)おでん種:つみれ
日本橋神茂のつみれ。イワシではなく、アジがベースとなっている

つみれと混同しやすいものに「つくね」があるが、つくねは生地をあらかじめ成形したものを指し、漢字では「捏」、つまり捏ねた(こねた、つくねた)ものの総称だ。しかし実際は、あまり厳密に区別されていない。

増田屋(葛飾区立石)のおでん種:軟骨つくね
増田屋(葛飾区立石)の軟骨つくね。棒状のほかに、ボール状のものも多い

おでん以外では、つみれ汁に使われることが多い。ネット界隈でも、ほとんどがつみれ汁を作る前提で調理方法を紹介している。また、グリルしても美味しい。

東京のおでん種専門店のつみれ各種

東京のおでん種専門店ではイワシだけでなく、マグロやホッケなど別の魚を加えている場合がほとんどだ。これは滑らかさを加えたり、旨味を加えたり、臭みを取って食べやすくするための工夫なのだが、なかには丸佐かまぼこ店(荏原中延)のようにイワシをまったく使わないお店もある。

今回は、おでん用に作ること、そしてほかの魚はブレンドしないことを前提に鰯つみれの調理方法を紹介しようと思う。イワシ独特のクセが気になる方は、ぜひ東京おでん種カタログの「つみれ」のページを参照していただき、おでん種専門店の提供するつみれを購入していただきたい。

おでんの鰯つみれの調理方法:イワシの手開き

ここからは、おでんの鰯つみれの調理方法を紹介していこうと思う。必要な素材は以下の通り。これで大きめ9個分のつみれができあがる。

  • マイワシ5尾
  • 生姜20g(皮ごとすりおろしておく)、もしくは生姜汁小さじ1
  • 赤味噌25g(なくても可)
  • 片栗粉大さじ3、もしくは小麦粉大さじ3、卵白1個分

おでんの鰯つみれの調理方法:頭付きのマイワシ

イワシはあらかじめ開いてあるものでもかまわないが、手開きすると骨の処理が簡単なので頭付きのものを使用した。マイワシはつみれとして一般的で、6月から10月が旬だが、とりわけ梅雨の時期に脂がのって美味しいといわれている。刺身や寿司にも最適だ。

生姜は臭みを取るためのものだが、生姜汁でもいい。赤味噌も臭み対策で入れるが、入れなくてもかまわない。つなぎは片栗粉、小麦粉、卵白の選択肢があるが、好みやアレルギーなどで選ぶといい。

おでんの鰯つみれの調理方法:手開き(頭と腹を切り落とす)

まずはイワシを捌いていく。すべて包丁で行えるが、今回は手で開く方法(手開き)を紹介していこう。手開きは骨を取り除くのが簡単なので、頭がついているイワシがある場合はこちらをおすすめしたい。

イワシをまな板に乗せ、尾から頭に向けて包丁を滑らせてうろこを取り除く。うろこの感触がない場合は無理に行わなくても大丈夫だ。次に胸びれから包丁を入れて頭を落とす。首から肛門まで直線上に包丁を入れ、はらわたをかき出すように取り除く。尾も切り落とし、しりびれ部分を両サイドに包丁を入れて取り除く。

おでんの鰯つみれの調理方法:手開き(水洗い)

流水ではらわたを洗い流し、指先で血合いを丁寧に取り除いていく。生臭さを抑えるために、イワシとまな板を布巾やキッチンペーパーで拭いて水分を拭き取る。

おでんの鰯つみれの調理方法:手開き(背骨を取る)

次に背骨を取り除いていく。尾、もしくは頭のほうから背骨の脇に指を押し込む。背骨に沿って丁寧に指を滑らせ、肉と骨を分けていく。刺身の場合はゆっくり丁寧に行うことが重要だが、つみれの場合はミンチにするのであまり気にしなくてもいい。

おでんの鰯つみれの調理方法:手開き(背骨を取る)

左手を肉側に添えて、右手は背骨を掴んで尾のほうから慎重に引き剥がす。左利きの場合は逆でいい。こうすることで背骨についた細かい骨も綺麗に取れるので、後の処理が楽になる。

これで主要な骨は取り除けたが、まだ細かい骨は残っているので丹念に抜いていく。

腹骨は包丁で腹の切り口をすいて取り除き、頭、尾の大きな骨はピンセット状の骨抜を使って取り除く。また、裏側にあばら骨が残っているので腹の切り口から抜いていく。上写真で赤く見える肉の少し外側にも中骨があるので、そちらも抜く。このとき、骨抜に骨がへばりついてしまうようなら、水を張った小さな器を用意しておくといい。骨を抜くごとに骨抜を水につければ、綺麗に骨が外れていく。

おでんの鰯つみれの調理方法:手開き(皮を剥く)

最後に皮を剥がす作業を行う。頭側の中央から肉と皮の間に指を潜らせ、そのまま尾のほうに滑らせると簡単に皮が剥がれる。

おでんの鰯つみれの調理方法:手開き(皮を剥いた後)

一連の作業で綺麗に身が剥がれた。手順さえ踏めばそんなに難しい作業ではないので、ぜひ実践してほしい。この記事でわかりづらいようであれば、ネット動画で「いわし 手開き」などで検索するといいだろう。

おでんの鰯つみれの調理方法:つみれを作る

次に、つみれの生地を作る作業に入る。今回はフードプロセッサーを使用したが、包丁で叩いてもいい。その場合は数十分の時間が必要だが、フードプロセッサーなら10秒程度で完了してしまう。ちなみに使用したのはKitchen Aidのフードチョッパーだ。

おでんの鰯つみれの調理方法:フードプロセッサー

フードプロセッサーにイワシを入れ、好みの荒さにしていく。この辺りが自分で作る醍醐味で、どの程度の荒さにするかは自分次第。滑らかな舌触りを求めたり、煮崩れを防ぎたい場合は、それなりに細かくしたほうがいいだろう。食感を残すために半分をフードプロセッサーにかけて、残り半分を包丁で叩いて合わせる方法もある。

おでんの鰯つみれの調理方法:生姜、味噌、片栗粉を加える

次にすりおろした皮付きの生姜(もしくは生姜汁)、赤味噌(入れなくても可)、片栗粉(もしくは小麦粉か卵白)を加えて軽く撹拌する。

おでんの鰯つみれの調理方法:全ての材料を混ぜ合わせた状態

きちんと混ざっていることを確認したら完了だ。これから成形作業作業に入っていく。

おでんの鰯つみれの調理方法:形を整える

ネットでは「つみれ=つみ入れ」に忠実に、スプーンを駆使する方法が紹介されているが、東京おでんだねはおでん種やさんと同じような方法で行っていこうと思う。手に水をつけてから生地を取り、手で捏ねながら中央にくぼみをつけて火が通りやすいように成形していく。形がいびつなのはご愛嬌だ。

おでんの鰯つみれの調理方法:熱湯で茹でる

鍋に水を入れて沸騰させ、つみれを投入していく。3、4分ほど茹でると底に沈んだつみれが浮かんでくる。火が通っているかどうかは、余りのつみれを味見用として一緒に入れておくとわかりやすい。

おでんの鰯つみれの調理方法:茹で終わった状態

完成したものがこちら(上写真)。このいびつな風合いこそ、手作りの証。好みの仕上がりを知るために、さまざまな作り方を試してみるといいだろう。料理は1回で正解が出るものではなく、試行錯誤のうえで導き出されるのだ。

おでんの鰯つみれの調理方法:完成

イワシの茹で汁はおでんに加えてもいいが、特有の臭みが残るので灰汁を取ったり、加える量を調節するなど注意しよう。今回は鰯つみれだけ投入することにした。手作りの場合は長く煮ると崩れる場合があるので、馴染ませる程度にしておくといい。

おでんの鰯つみれの調理方法:完成

イワシの旨みがぎゅっと詰まっていながら、まろやかなおでん汁を含んだリッチな味わいとなった。刻んだ長ネギや人参を加えるなど、さまざまなアレンジに挑戦してみてもいいだろう。

自宅で鰯つみれを手作りする楽しみは、好みの味にアレンジできるところにある。この記事をきっかけとして、新たなおでんの楽しみを広げてもらえれば幸いだ。もしも作り方に疑問があれば、おでん種専門店の店主に聞いてみるといい。いろいろなコツを教えてくれるだけでなく、お手本となるつみれも手に入れられるはずだ。

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