店頭で楽しむおでん種やさんのおでん(1)

たっぷりのおでん汁に漬かり、美味しそうな匂いを漂わせるおでん種専門店の調理済みおでん。街の雰囲気を楽しみながら味わうもよし、家に持ち帰って食べるもよし、今回は調理済みおでんを販売しているおでん種専門店をいくつか紹介したいと思う。

東京都杉並区堀ノ内 妙法寺門前通り商店会:丸佐(〇佐、まるさ)かまぼこ店

大きなおでん鍋にたっぷりのおでん汁、そのなかでじっくり味を深めていくおでん種たち。湯気がもうもうと立ち込め、数十メートル先から鰹と昆布のあわせ出汁の香りが漂ってくる。火傷を気にしつつ頬張れば、口いっぱいに優しく懐かしい味わいが広がり、お腹と心を満たしてくれる。

東京おでんだねでは2回に分けて(第2回はこちら)、魅力的な調理済みおでんを販売するお店を紹介していく。東京すべての販売情報を知りたい場合は「店頭調理販売」のタグから一覧を参考にしてほしい。

注意点として、近隣の事情で店頭で食べることができないお店もある。あらかじめお箸やお皿、ゴミ袋などを用意して、迷惑のならない場所に移動してから楽しもう。

業務用おでん鍋のいろいろ

調理済みおでんに欠かせないのが業務用のおでん鍋。いくつか種類があり、大きさは仕切りが4つ、6つ、8つのタイプとさまざまだ。また、ガスと電気のもの、直火(ガス式)、湯煎、温度調節のありなし(電気式)など種類が豊富。直火は調理と保温が可能だが、おでん汁が煮詰まるため汁を足すなど細かな配慮が必要だ。湯煎は保温のみとなり、調理は別の鍋でおこなう必要がある。電気は温度調節機能が備わっているだけでなく、立ち消えの心配がない。また、電気式の湯煎バージョンも存在する。お店を開きたい人以外にはあまり必要のない知識だが、マニアならおさえておきたいところだ。

増英蒲鉾店の店頭調理販売

さて、ここからは店頭で調理済みおでんを販売しているおでん種専門店を紹介していこう。まずは江東区北砂にある砂町銀座商店街の増英蒲鉾店

東京都江東区北砂 砂町銀座商店街:増英蒲鉾店

ここは12の仕切りに分かれている大鍋を採用している。春夏はひとつだが、秋冬になると2つに鍋が増える。たくさんのおでん種が並ぶ光景に圧倒される。

東京都江東区北砂 砂町銀座商店街:増英蒲鉾店のおでん

濃い色のおでん汁にしっかりと漬かったおでん種たち。薄茶色に染まったじゃがいもや、くったりと汁を吸った巾着など、見ているだけでその美味しさが伝わってくる。

東京都江東区北砂 砂町銀座商店街:増英蒲鉾店

女性の店員さんがしっかり管理し、おでん種を美味しい状態に保っている。お店の立地上、西日が差す位置となるので夏場は異常な暑さとなる。保冷剤を仕込んだタオルを首に巻いて仕事に励んでいるそうだ。

丸佐(〇佐、まるさ)かまぼこ店の店頭調理販売

杉並区堀ノ内にある妙法寺門前通り商店会の丸佐(〇佐、まるさ)かまぼこ店は、お店の脇にあるベンチでできたてのおでんを食べることができる。

東京都杉並区堀ノ内 妙法寺門前通り商店会:丸佐(〇佐、まるさ)かまぼこ店

こちらも8つの仕切りがある大きな鍋が2つ配置され、たくさんのおでん種がぎっしり詰まっている。整然と並べられた気持ちのよい配置だ。詰め方もお店によって微妙に異なっているのが興味深い。

東京都杉並区堀ノ内 妙法寺門前通り商店会:丸佐(〇佐、まるさ)かまぼこ店

大根とちくわぶはあらかじめおでん汁に漬けて一晩寝かせているので、シミシミの美味しい状態を楽しめる。ちくわぶファンにぜひ食べてもらいたい。

東京都杉並区堀ノ内 妙法寺門前通り商店会:丸佐(〇佐、まるさ)かまぼこ店

寒さに身を縮こませながら、あたたかいおでんをはふはふ味わうのは最高の体験だ。地域に密着した素敵なお店なので、地元客と交流するお店の様子を眺めたり、人懐っこい店主と会話を弾ませたりと、ほっこりとした時間を過ごすことができる。

九州屋蒲鉾店の店頭調理販売

荒川区東尾久にあるおぐぎんざ商店街の九州屋蒲鉾店は、2つの大きな鍋におでん種が雑然と並ぶごった煮感が魅力だ。イナリ詰など珍しいおでん種も揃っている。

東京都荒川区東尾久 おぐぎんざ商店街:九州屋蒲鉾店

およそ8つの仕切りになるかという鍋に、おでん種がざっくりと配置されている。個性豊かなおでん種の出汁がしっかり染み出て、それぞれ混じり合う複雑な味を楽しめる。

東京都荒川区東尾久 おぐぎんざ商店街:九州屋蒲鉾店

それぞれのおでん種がどのようにうまみを出し、吸い込んでいるのか想像してほしい。寒い日に見かけたら最後、必ず購入してしまうことだろう。

福島屋の店頭調理販売

港区にある麻布十番商店街の福島屋は店内におでん鍋がある。こちらは変則的な仕切りが特徴。

東京都港区麻布十番 麻布十番商店街:福島屋のおでん

木枯らしが吹きすさぶなかでおでん種を選ぶのも楽しみのひとつだが、あたたかい店内ならゆっくり選ぶことができるのでありがたい。その場で食べるなら、2階の飲食スペースで注文するといいだろう。

東京都港区麻布十番 麻布十番商店街:福島屋のおでん

豆腐、人参、エリンギといった珍しいおでん種も揃っている。これらはショーケースでは販売しておらず、調理済みおでんでしか味わうことができない。家でも試せるだろうが、おでん種専門店の味を知るためにまず購入することをオススメする。

増田屋(立石)の店頭調理販売

第1回目のラストは葛飾区東立石にある立石大通り商店会の増田屋(立石)。8つの仕切りがあるおでん鍋を使用しており、お店の小窓から注文するスタイルとなっている。

東京都葛飾区東立石:増田屋(立石)

こちらもじっくりと煮込んで味の染みたおでん種が魅力的。常連さんが家から鍋を持って買いに来る光景を楽しめたり、話好きな店主との会話も面白い。お店の歴史やおでん種のこだわりなどもうかがえるので、購入する際はぜひ話しかけてもらいたい。お店オリジナルのおでん汁の素も販売しているので、あわせて購入することをおすすめする。

まだまだ調理済みおでんを販売するお店はたくさんあるが、第1回目の紹介はここまでにしておこう。色々なお店をめぐって楽しみたい方は、ぜひ「店頭調理販売」のタグから選んでみてほしい。

増英蒲鉾店の基本情報

増英蒲鉾店
〒136-0073 東京都江東区北砂4-9-9
03-3645-1802
定休日:月曜(10日の場合は翌火曜)
営業時間:11:00~18:00
増英蒲鉾店のWebサイト(砂町銀座のWebサイト)
増英蒲鉾店のTwitter
増英蒲鉾店のInstagram

丸佐かまぼこ店(堀ノ内)の基本情報

丸佐(〇佐、まるさ)かまぼこ店
〒166-0013 東京都杉並区堀ノ内3-3-24
03-3313-2469
定休日:日曜(妙法寺の縁日は営業、振替月休)
営業時間:9:00~18:30(できたておでんは11:00から)
丸佐(〇佐、まるさ)かまぼこ店のWebサイト(妙法寺門前通り商店会のWebサイト)

九州屋蒲鉾店の基本情報

〒116-0012 東京都荒川区東尾久4-31-11
03-3800-0328
定休日:火
営業時間:9:00~19:20
九州屋蒲鉾店のWebページ(おぐぎんざ商店街のWebページ)

福島屋の基本情報

福島屋
〒106-0045 東京都港区麻布十番2-1-1
03-3451-6464
定休日:火
営業時間:11:00~21:00(ラストオーダー)
福島屋のWebサイト(麻布十番商店街のWebサイト)

増田屋(立石)の基本情報

増田屋
〒124-0013 東京都葛飾区東立石4-50-3
03-3691-0477
定休日:日曜
営業時間:10:00~19:30
増田屋(立石)のWebサイト(葛飾区商店街連合会のWebサイト)

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