東京下町のおでん種の定番、カレーボール。ひとくち大のボール状の練り物にカレー粉が入っている。
「5個いくら」のようにセット販売しているお店が大半だが、ばら売りも可能なお店もある。
カレーボールの存在を知らないという人もいるが、23区内で販売しているおでん種やさんは多い。
東京おでんだねが実際に歩いて回ったところ、現在北側では練馬区、板橋区、豊島区、北区、足立区、荒川区、葛飾区の東西に渡って確認できた。さらに南側では江戸川区、江東区といった東側で確認できている。
カレーボールで有名なのは嘉平屋だが、ここは千葉県銚子に店を構えている。魚のすじやちくわぶなど、銚子は関東のおでん種を多く生産しているが、流通が大きく関係しているのだと思う。
カレーボールの発祥については「カレーボールのルーツを探る」という記事にまとめたので、ぜひご一読いただきたい。
カレーボールは子どもが大好きなおでん種のひとつだが、通常のボールと見分けがつきにくいため、つまんでは「当たり」とつぶやきながら食べるのがセオリー。今ではプレーンな味のボールを凌ぐ人気となっていて、ボールは扱わずカレーボールだけ販売している専門店も多い。
色や大きさはお店によってさまざまだが、地域によって傾向があるわけではない。
ただし、丸石蒲鉾店のカレーボールのように、千住あたりのカレーボールは串に刺さっていることが多い。千住や町屋あたりは日暮里に駄菓子問屋が多かったことから、店頭でおでんを販売していた店や露店が多かったと推察される。路上では串に刺さっているほうが食べやすいので、そのあたりの名残があるのかもしれない。
普通はカレー粉だけ入っているが、えびすや蒲鉾店(練馬北町、蓮根店)や大国屋(渋谷区 幡ヶ谷)のカレーボールは玉ねぎや人参が入っている。
大国屋(京島) のカレーボールも生イカが練り込まれた変わり種だ。
蒲清のカレーボールは他店にはない独特のものだ。焼売のように白くてふわっとした衣がカレーボールのまわりに絡みついている。
丸健水産のカレーボール
丸石蒲鉾店のカレーボール
丸石蒲鉾店のカレーボールは串に刺さっている。串に刺さっているので食べやすく、見た目も可愛らしい。
丸忠かまぼこ店のカレーボール
丸忠かまぼこ店のカレーボールはしっかりとカレー粉の香りが詰まっていてよいアクセントとなっている。
増田屋蒲鉾店(西巣鴨)のカレーボール
増田屋蒲鉾店(西巣鴨)のカレーボールはスタンダードな味付けながら、他のものよりふたまわりほど大きい。
えびすや蒲鉾店(北町一丁目)のカレーボール
通常はカレー粉だけ混ぜているものが多いが、えびすや蒲鉾店(北町一丁目)のカレーボールはニンジンと玉ねぎが入っている。通常のものはすり身にカレー粉が入っているだけなのでかなり新鮮だ。玉ねぎの甘みとカレーの風味の相性がよい。
えびすや蒲鉾店(蓮根)のカレーボール
えびすや蒲鉾店(蓮根)のカレーボールはえびすや蒲鉾店(北町一丁目)と同様に野菜が入っている。具材は玉ねぎ、人参、キャベツ、紅生姜だ。形状はボールではなく平たくなっている。玉ねぎとキャベツの甘みがカレー風味にとてもよく合っている。
えびすや蒲鉾店(蓮根)(板橋区蓮根) おでん種:カレーボール
増田屋かまぼこ店(綾瀬五丁目)のカレーボール
増田屋かまぼこ店(足立区綾瀬五丁目) おでん種:カレーボール
おでん専門店大阪屋(小台)のカレーボール
おでん専門店大阪屋(小台)のカレーボールは少し大きめで、カレーの風味が強め。存在感があり、カレーボール好きにはオススメだ。
蒲元のカレーボール
蒲元のカレーボールはスタンダードながら、なつかしいカレー粉の味わいが広がって美味しい。ボールよりもひとまわり大きく作られている。
大国屋(京島)のカレーボール
大国屋(京島)のカレーボールは、オリジナルのカレー粉を使ったものだそうだ。さらに、生イカが練り込まれた変わり種。イカの風味と食感がアクセントになっていて、とても美味しい。
増田屋蒲鉾店(京成小岩)のカレーボール
増田屋蒲鉾店(京成小岩)(葛飾区京成小岩) おでん種:カレーボール
大国屋(幡ヶ谷)のカレーボール
大国屋(幡ヶ谷)のカレーボールはボールをふたまわりほど大きくしたもので、玉ねぎが入っている。カレー粉がしっかり練りこまれていて風味も抜群だ。
蒲清のカレーボール
蒲清のカレーボールは他店では見られない珍しい風貌をしている。焼売のように白くてふわっとした衣がカレーボールのまわりに絡みついている。通常のムニムニとしたカレーボールの食感とは異なり、衣がふやけてふわふわの食感が楽しめる。カレー粉は辛味を効かせていて本格的な味わいだ。
増田屋蒲鉾店(堀切)のカレーボウル
増田屋蒲鉾店(堀切)のカレーボウルはカレー粉の配合具合がほどよく優しい味だ。
増田屋蒲鉾店(堀切)(葛飾区 堀切) おでん種:カレーボウル
八幡屋のカレーボール
八幡屋のカレーボールはカレー粉の混ぜ具合が絶妙なので、魚のすり身の風味を殺していない。ひと口サイズだが食べると充実した気分になる。
大国屋(柴又)のカレーボール
大国屋(柴又)のカレーボールは通常の2個分くらいの大きさはあろうか、なかなかボリュームがある。刻んだ人参や玉ねぎなどが入ってまろやかだが、きちんとカレーの風味が効いていて美味しい。
九州屋蒲鉾店のカレーボール
九州屋蒲鉾店のカレーボールはカレー粉が抑えめで上品な味だ。玉ねぎが一緒に混ぜ込んである。
塚田水産のカレー団子
塚田水産のカレー団子は人参、長ネギ、枝豆が入っており、通常のカレーボールよりふたまわりほど大きい。カレーボールというよりも、カレー風味の和風団子といった味わいで面白い。
増英蒲鉾店のカレーボール
増英蒲鉾店のカレーボールはカレー粉の風味がしっかりしていて、子どもにもおすすめのスナックのような味わい。まさに下町名物のおでん種といったところだ。
平澤蒲鉾店のカレーボール
平澤蒲鉾店のカレーボールはしっかりとカレー粉の色が付いていて、見た目だけでも食欲をそそる。カレーの風味が強いが、玉ねぎが混ぜ込まれているためまろやかな味だ。
桧山水産のカレーだんご
桧山水産のカレーだんごはネギと玉ねぎが入っている。玉ねぎがほどよい大きさで、噛むと甘みと味の深みがじんわりと広がる。